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脳を活性化、脳のリハビリ訓練に効果! 認知症予防・改善ゲーム

2015.12.28

MMSテストによる効果を報告

認知症の親とどう接したらいいのか。なんとか治したい、これ以上進行するのをくい止めたいと思われている方も多いのではないでしょうか。認知症に効果があるとされる『脳活性化リハビリゲーム』を行うことで、症状の進行をくい止め、改善できるそうです。その教室は全国に広がっていますが、今回はNPO法人認知症予防ネットの原悦子さんが開いている「スズメの学校」に参加させていただきました。『みんなの認知症予防ゲーム』と名付けられたゲームとはどんなゲームなのか見ていきましょう。『みんなの認知症予防ゲーム』の基は、平成4(1992)年に「高齢者リフレッシュセンタースリーA」という名前で、増田末知子さんが静岡で発病軽度の対象者用にスタートした教室で行われた教科の一つとしてのゲーム。

それを一次予防主体で且つ発症者混合教室でも効果があるようにゲームの進行方法を工夫したものが『みんなの認知症予防ゲーム』。

スズメの学校

毎週1回開かれている「スズメの学校」(京都市伏見区)は、340 回約7年、同じプログラムで開催され、親子や夫婦参加で約20 名の方が楽しんでいます。

要介護の方も数人おられます。「デイサービスは強制参加だけれど、ここは自由参加」「施設では団体行動なので待たされたりします」という参加者の声があるように、介護保険のデイサービスとは異なるようです。参加されている方は「毎週同じことをしていても飽きない」と話されます。これはプログラムの内容はもちろん、進行役、サポートしている人たちが上手だからこそでしょう。

原悦子さん自身、昨年亡くなられたお母さんが103 歳まで一緒に参加されていたこともあり、その流れでスズメの学校を継続されています。

NPO 法人認知症予防ネット http://www.n-yobo.net/

高齢者リフレッシュセンタースリーA の教室での成果

MMSテストによる効果を報告

増田さんは、軽度の認知症患者の方を対象に、脳の活性化訓練を3 ヵ月合宿形式でおこなった結果、*MMS テスト(30 点満点)の平均上昇点数が入所時平均 21.2 点から退所時平均27.4 点になり、全体で平均6.2 点も上昇したと発表されています。その後も発病前の脳機能低下段階の人たちに1 週間に2、3 時間、計20 回教室に通ってもらったところ、参加した126 人のMMS テストの点数が、平均で2.76 点上昇しました。現在、「スリーA」が商標登録されたことから、NPO 法人認知症予防ネットでは『みんなの認知症予防ゲーム』と名称を変えています。

*MMS テスト Mini-Mental States(ミニ・メンタル・ステイツ)の略語。大脳の後半部 の認知機能を測るための簡易知能テストのことをいいます。「今日は何日 か?」「ここは何県か?」など簡単な見当識を問う設問や、言葉の反復、簡単 な計算などを行います。30 点を満点とし、24 点以上あれば正常域の軽 度認知症、23 〜15 点の範囲であれば中度認知症、14 点以下では重度 認知症と判定します。

みんなの認知症予防ゲーム…3つのポイント

ポイント① 和やかに…『優しさのシャワー』とは異なる意図的働きかけと称する独自開発の技法 で、発症者と健常者との混合教室でも両者ともに楽しめる

ポイント② 楽しく…脳活性化ゲームで脳の機能を心地よく刺激する

ポイント③ 大笑い…間違ったらおかしくて、出来たらうれしい、みんなで大笑いする

ゲームは全部で20 種類あります。その日の進行状況で決めていきますが、「系統立てているゲームなので、デイサービスなどで行っているゲームを入れたりしてはいけません」と原さん。

ゲームは大きくは4つに分けられています。

★その1 輪になってウォーミングアップ(指から腕の運動)

①1から10 ②数え歌 ③グッパー体操 ④でんでん虫 ⑤お茶つぼ ⑥グーチョキパー ※記憶の継続訓練・手指の屈伸とリズム感を養う。

★その2 輪になったままでスキンシップ(上半身の運動)

⑦ 2 拍子 ⑧3拍子 ⑨4拍子のリズム遊び、歌う ※歌詞を思いだし、スキンシップでリズム感を伝える。 ⑩お手玉まわし ※手のひらのツボへの刺激 ⑪どじょうさん 

※瞬発力を高める。

★その3 机の前で頭の体操

⑫頭文字集め・ことば集め ※言葉・記憶力の引き戻し。 ⑬ビンゴゲーム ※言葉を考え・字も書く・理解と作戦。

⑬広告パズル ※数える習慣・文字・模様の観察力・触覚訓練。 ⑮追っかけ将棋 ※記憶の持続・計算

★その4 クライマックス(集団ゲームで協調性)

⑯ 2 種類の太鼓合奏 ※合奏の楽しさ・リズム・記憶力 ⑰風船バレー ※瞬発力と上半身の運動 ⑱風船サッカー ※2チーム向かい合って足でボールを蹴る運動 ⑲シーツ玉入れ ※協調性を養う・握力・計算 ⑳じゃんけんタスキとりゲーム ※勝負の楽しさと全身運動・計算

スズメの学校 【取材体験記】

実際に参加してみると2対1で認知症の方の横にサポーターが座っています。私が「1から10」「グッパー体操」で失敗して焦っていると、横から「みんな初めは間違ったりしますよ。私もそうでした」「間違ったとわかることが脳にいいんですよ」と『優しさのシャワー』を投げかけていただくのでホッとします。

多少遅れようが間違っても問題ありません。スキンシップの「どじょうさん」になると、隣の方が認知症だったことも忘れて必死でどじょうを捕まえにいく自分がいました。

頭の体操では、皆さん秋の花をよくご存知でした。

最後の団体戦になってくると、またまた認知症の方のことも忘れ、「シーツ玉入れ」では必死にシーツを握り、ボールを追っかけていました。「毎週来ても飽きません」と話されるのもうなずけます。呆けて(認知症)いる暇はありません。

今日のプログラム

①輪になってウォーミングアップ【指から腕の運動】

 「記憶の継続訓練・手指の屈伸とリズム感」

★指を数える 説明 

初めに進行役から指の曲げ方の説明があります。右手の親指だけ曲げて人差し指からスタートします、1 本ずつズレながら数えながら曲げていきます。

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★かたつむり  

片方の手をチョキ、片方の手をグーの形にします。チョキの上にグーを乗せると「かたつむり」になります。これを「かたつむり」を歌いながら、左右交互に腕を入れ替えます。

 

 

 

 

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