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特集 『背中をゆるめる』と健康になれる!

肩こり腰痛・猫背・脚太改善できます!

 犬飼奈穂:ウォーキングコンサルタント

 「あなたは背中を意識して生活していますか」と聞かれると、「意識したことありません」という方が多いと思います。背中を意識していないので年を取ると猫背になり、背中で年齢を感じさせていませんか。

この背中にはたくさんの筋肉が集まっていて、その筋肉が固くなって首や肩のこり、腰痛、坐骨神経痛、猫背などの要因になっているようです。その固くなった背中の筋肉をゆるめることでこりや痛みが改善でき、スッキリスマートになった体は若々しく見えます。

今回は『背中をゆるめると健康になる』の著者の犬飼奈穂さんに、その背中のゆるめ方を教えていただきます。

腰痛を治したい/太ももを細くしたいと願い!

背中をゆるめて余計な力を入れずに 楽に立ち 楽に歩くだけ!

 犬飼奈穂さんは自分の腰痛が「背中をゆるめれば体も心も健康になれる」ことを実体験したことで、これを多くの人に伝えたいと本を書いたそうです。

『背中をゆるめると健康になる』プレジデント社から発刊。1400円+税金

具体的な動きはどーもの冊子をご覧ください

「背中をゆるめる」ということ自体ピンとこないですが、2013年頃「姿勢が悪い」と言われた犬飼さんは、筋トレするほどに腰痛に悩んでいたそうです。

腰痛改善のため整体に行ってもその時だけ心地よい、根本的に改善したいな、腰痛の人と腰痛でない人はどう違うのかな。どう改善すればいいのかなと悩み、「あらゆる動作の基本は普段の立ち方や歩き方が大事なんだ」と思い始めたそうです。そう思っていた時に出会ったのが『体をゆるめて歩く』講座でした。「余計な力を入れずに楽に立ち 楽に歩くという姿勢と歩行」を提唱していた先生を愛媛に招き講座を企画したのが始まりです。

講座を受講した犬飼さんは、体を動かすと疲れると思っていたそうですが、逆に体が軽くなり整体にいった時の感覚だったそうです。動くほど元気になりもっと体得したいと、インストラクター養成講座(月1回/4ヵ月間)を受講し腰痛改善に成功。さらに若い頃から太ももが太いというコンプレックスを持ち、ダイエットして体重を10kg減らしても、太ももの太さは変わらなかったそうです。ところが「食事制限や筋トレをしないのに、歩き方を変え始めたら太もものサイズが落ち、体が変わっていくのが楽しくなりすぎて、この方法を誰かに話したい、教えたくなり愛媛でグループレッスンを始めました。

 背中をゆるめて「座る 立つ 歩く」その成果は?!

犬飼さんは2014年から1回90分の『体をゆるめて歩く』グループレッスンをスタートし、自分自身も学びながら教えることを繰り返していましたが、2021年に独立し3ヵ月、6ヵ月単位の継続レッスンを始めました。

「1回完結型では受講者の体がどのように変化していたのかわかりませんでしたが、3ヵ月や半年間のレッスンで私が伴走するパーソナルトレーナーのような形式にすると、受講者の体の変化、効果を確認できるようになったんです」

 Q:なぜ背中をゆるめることがいいのですか?

犬飼:私たちは日常生活において、背中の筋肉はほとんど動かせていません。動かせていないと筋肉は固くなります。
背中には『広背筋(こうはいきん)』と呼ばれる大きな筋肉があり、肩甲骨や上腕、骨盤などに付着しています。この広背筋が固くなると、背中の周囲の筋肉が不自然に引っ張られるので肩こりや巻き肩、腰痛、O脚、猫背などを誘発し、呼吸も浅くなります。筋肉が固くなると血流が滞りリンパの流れも悪くなって、代謝も下がります。

Q体の固さを改善するためにストレッチや筋トレがありますが。

犬飼:体に強い負荷がかかると痛みや歪みを引き起こし、筋肉はさらに固くなってしまい体の不調も改善しません。大切なのは体の緊張をほぐし、背中の筋肉をゆるめることです。

私自身、ただ楽に立ち、心地よく歩くということを意識するだけでこり固まっていた体が緩み、悪化する一方だった腰痛が1ヵ月でなくなり、猫背や巻き肩も改善したのは衝撃でした。

背中側の筋肉をたくさん動かしながら歩くとストレッチやトレーニングをしなくても、歩きながら自然に背中を動かすことでゆるんだ状態をキープすることができます。本では「座る 立つ 歩く」という、日常動作を通じて固くなった背中を楽にゆるめていく方法を紹介しています。

 Q:レッスンを受講する方の多い悩みは何でしょうか?

犬飼:多いのは肩こり腰痛です。私がブログで「脚が細くなった」などと書いていたので、「下半身痩せたいです」という方も多かったですが、スタイルの崩れの悩みは1つに過ぎません。多くの方はいくつも悩みを持っておられます。体のバランスが崩れているからで、相対的に背中が固いんだなと感じます。

 Q一番効果が出ているのはどういう悩みですか。

犬飼:腰痛や肩こりなどの痛みがなくなる方が多いです。また、体重は変わらないですが、続けていくとパンツがワンサイズ変わるという方もいます。

受講する方は40代〜50代が多かったですが、最高齢は86歳の方です。背中は少し丸いままですが、少しずつ体が起き上がっているような感じです。

 Q:高齢者施設でも体操として採用すれば快適に過ごせますね。

犬飼:誰でもどこででもできます。お年寄りにもいいですが、介護職の方も一緒にしていただきたいです。

ゆるめていく小さな動きをこまめに取り入れて、継続していくと軽くなってきます。

 「がんばる人」の特徴•••一度やめてみて!

自律神経が乱れ、背中が固くなっている人は下記のような傾向があります。

・「やらなけらばいけない」ことで常に頭がいっぱい
・気が付くと体に力を込めて、歯を食いしばっている
・長時間、スマホの操作やパソコン作業をしている
・自分にも他人にも厳しく、「あるべき」姿を求めがち
・胸を張って、背中を反らせる姿勢をしている
・痛みに耐えながらストレッチや運動をしている
・呼吸が浅く、速くなっている

 

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