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こまを通して“自信を持つ” “工夫すること”を伝えたい!

日本独楽博物館館長 日本こままわし協会会長 

藤田由仁さん(77歳)

50年前に熊本で珍しい独楽(こま)に出会ったことがきっかけで、世界中のこまや玩具5万点以上を収集するまでになった藤田由仁さん。こまの歴史を後生に伝えたり、こままわしの技術を教えるだけでなく、こまを通じて「自分で工夫することの大切さを教えたいですね」藤田さんのこままわしの技は30ほどですが、子ども達が考えた技は300近くになるそうです。藤田さんがこまを通して教えたいことをお聞きしました。

外国の投げこまは縦長で鞭でたたきながら回していく「たたきごま」が進化したもの。これに対して、日本のこまは平べったく、いろんな技ができるそうです。日本のこまの技がYouTubeで披露され、世界大会でも教え子が優勝したりして海外からも日本のこまが注目されているそうです。

藤田さんはこまを収集するようになって1,2年目に、情報収集を目的に展示場をつくり、やがて全国にこままわしや大道芸風の公演をするようになります。

「こままわしは子どもの頃にしていた程度で特段上手だったわけでもないのですが、公園でこままわしを楽しむ子どもに、こまを借りてまわしてみせたところ子どもも大人もビックリ。神様みたいに思われ、まわしかたを教えて欲しいといわれました」と藤田さん。そこで店舗付きの展示場を購入していろんな技を教えたそうです。

そして、土日に子どもの集まる場所で、こままわしや大道芸風のことをボランティアで披露していると、5年目頃から少しずつ知れ渡り、全国の小学校や幼稚園などから公演依頼があり、「本格的に普及活動を」とサラリーマンを49歳で辞めたそうです。330ステージを10年以上続け、コロナ禍でも年間100以上のステージをこなしています。

公演ではこままわしや伝統芸の曲こま、江戸時代の物売り風景を“大道芸風”に披露し、実際に体験してもらいます。

「子ども達はできないことや自分の失敗を他人に見られることが一番いやなんです。だからすごい技よりもやりたいなと思うような、子ども達の素質や能力を引き出させるような状態を作ってあげます。こままわしで“できるという自信”を見つけたら、僕のように生きていることが楽しくてしかたなくなります。そして “自分で工夫することが大事だ”ということを伝えたいです。300ほどのこままわしの技はみんな現代の子ども達が考えたんですよ」

藤田さんには子どもがいません。「私がいなくなってもこままわしを伝えっていって欲しい」と2002年に『日本こままわし協会』を設立しました。
「こまの技の検定は、次の技が生まれにくいといわれ本当は嫌なんですが、こまに対する気持を伝えていければいいなと思っています」
2008年から「全日本こま技選手権大会」を開催すると、日本の子が世界チャンピオンになり、こま文化が受け継がれ国際交流も高まっているそうです。

 

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