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「犬への教育」を広め、世界に誇れる「日本の犬文化」を築きたい!

NPO法人日本ペットドッグトレーナーズ協会 理事長 鹿野正顕さん

20年前に犬のペットブームが訪れ、その後減少してきたもののコロナ禍によって、再びペットを飼う人が増えているそうです。昔のように吠えたり噛んだりする犬も少なくなり、糞の始末も当たり前のルールになっています。これらは犬の行動や習性を飼い主に教育してきたドッグトレーナーのおかげです。さらにスキルアップを図り「犬への教育」をもとに「日本の犬文化」を築いきたいという日本ペットドッグトレーナーズ協会の鹿野正顕理事長に伺いました。

欧米では1990年頃には犬の心理学や行動学が確立し、科学的な側面で犬をしつけるトレーニングが行われていました。日本のペットブームでは家庭犬のトレーナーは海外のトレーニング方法を勉強し、飼い主さんに犬の行動や習性、飼い方を教育してきましたが、その多くは個人事業主としてそれぞれの家庭を訪問する「出張型トレーニング」。そのためトレーナー同士の交流や新しい情報は入りにくく、しつけに関する確固たる軸はありませんでした。海外の科学的な知識を一から学ぶ教育現場もなかったことから、2006年に太田光氏(初代理事長)が米国ペットドッグトレーナーズ協会(APDT)と連携して設立したのが日本ペットドッグトレーナーズ協会(JAPDT)。

昨年JAPDT理事長に就任した鹿野正顕さんは協会の役割について、「ドッグトレーナーは人と犬が共生していく上での問題解決に関わり、そのために必要な知識や技術、柔軟な対応が求められます。そして業界全体で飼い主と家庭犬をサポートしていく必要があります。協会の働きかけによって、世界最大の家庭犬トレーナー資格(CPDT-KA)を国内でも日本語で受験できるようになりました。今後も、日進月歩変わる最新の知識や情報を発信することで、ドッグトレーナーのレベルアップをサポートしていきます」

依頼は吠える犬、トイレの失敗

ドッグトレーナーへの依頼の多くは人に吠えたり、トイレを失敗することへの改善。「犬は人との生活が長いので順応性が高いため、犬の習性や関わり方をしっかりとマスターすればトイレのしつけは上手にできます。また、散歩中に人や犬に吠えたり、深刻な状況になると飼い主が体を触ると噛みついたりします。それらを予防するためには子犬の時からの躾が大事です。最近は動物病院で子犬のしつけ教室(パピークラス)や、飼い主さんを対象とした教室を開いていますので、そういうところで勉強するとよいでしょう」

最近は、「犬の幼稚園」も人気だそうです。「躾の進んでいる欧米先進国では、多くのお店が犬との同伴を許可していて、国によっては乗車料金を支払えばケージなどに入れなくても、そのまま電車に乗ることができます」日本では欧米ほど犬の社会化が進んではおらず、今後、さらなる共生社会を目指していくためには多くの人が犬の行動や習性をよく勉強する必要があるようです。

 

 

 

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