48歳からの華麗な生き方・老後をサポートする

歩行と同じ運動強度がある『健康けん玉』が人気!

日本けん玉協会 理事 けん玉道六段

一心病院 コメディカル部長 吉本秀一さん(57歳)

幼い頃おはじきやお手玉、コマ回しの遊びの中でも、一度はけん玉をしたことがあるんじゃないでしょうか。今日ではけん玉の技は万を超え、自分で命名することができるなど多様化し形状も進化しています。そして、歩くのと同じくらいの運動強度があることから『健康けん玉』として、介護予防やリハビリの一つとして注目されています。リハビリ指導とけん玉の技を研究している吉本秀一さんに『健康けん玉』の楽しみ方を伺いました。

 吉本秀一さんは現在勤務の一心病院に作業療法士として就職した折りに、理学療法士が必要だと言われ夜学へ。高校時代にもけん玉経験がありますが、夜学の同級生に誘われてけん玉を始めることに。そして、文化祭で日本けん玉協会の藤原一生初代会長に講演をお願いし、直々に指導してもらったことで「けん玉道」にはまったのかもしれません。

日本けん玉協会の会員数は約2000人、勉強会やイベント、検定をしています。

初代会長は「戦後の子どもたちが塾などで孤立化していた頃、けん玉を通して青少年の育成によいと主に小中学生向けに普及させてきたことが継続してきた根底にあります」

2015年頃からけん玉がメディアに注目されたのは、吉本さんが夜学の卒論でけん玉の運動強度をブログに公表したからです。

「もしかめの歌のリズムに合わせながら、もしかめ(大皿と中皿の繰り返し)というけん玉技を10分間続けた結果、歩行による消費カロリーとほぼ等しかったわけです」その後、健康に良いということでフィットネスクラブからも介護予防のプログラムに加えられるようになりました。

「私どもの病院でも糖尿病の運動療法の一つとしてけん玉を早くから使っています。骨折などで入院された高齢者で、寝たきりにより認知症が進んでいる人にけん玉をしてもらうと、ボーッとしていたのが少しは覚醒した感じがします。最近、けん玉のお皿を大きくした『福祉けん玉』が作られ、高齢者がやりやすくなりました」

日本けん玉協会では、この『福祉けん玉』を使った場合の検定は、10級から準初段まではいいと規約を変えるなど、柔軟性のある対応をしています。

「お年寄りは技量を上げることが目標じゃなくて、運動することが目的。地域の介護予防の講習会では、コミュニケーションツールの一つとして活用されています。男性よりも女性の参加が多く、格好悪い所を見せたくないという男性のために、男性だけの講習会を行ったところ評判が良く、その後もけん玉サロンに集まるようになったそうです」

日本文化の一つとして、子どもから大人、老後まで続けられるけん玉の良さを吉本さんは、「けん玉を皿に乗せるのに集中力やバランス感覚が必要であり、みんなであーでもない、こーでもないと言いながらやるコミュニケーションツールになっています」

検定は認定けん玉でなければならないそうですが、キャラクターで描がかれたけん玉などデザインも多彩。糸の長さは40cm前後が良くて、長くても短くてもやりやすい技が違うそうです。デザイン仕様は自由ですが、技を極めるにはそれなりに使い勝手の良い規定になるようです。

初心者の健康けん玉の仕方を同じ号で特集もしています。

関連記事