48歳からの華麗な生き方・老後をサポートする

認知症予防に効果‼️ 絵本読み聞かせボランティア!

シニアボランティアによる絵本読み聞かせを通じた

世代間交流プロジェクト:[りぷりんと]

新型コロナウイルスの流行も落ち着きを見せはじめる中、「今こそ、地域での社会参加・ボランティア活動に取り組んでみたい!」と思っている方も多いのではないでしょうか。

今回は、ボランティア活動の中でも「絵本読み聞かせボランティア」を取り上げます。シニア世代が自らの人生に再びスポットを当て、地域の子どもたちや高齢者に絵本の読み聞かせを行うことで、安心・安全な住みやすい地域づくりへの寄与はもちろん、自らの健康維持・増進や認知症予防にもなることが明らかになってきました。そこで今回は、絵本読み聞かせボランティア活動がもたらす具体的な効果について、データを交えながらご紹介したいと思います。

東京都健康長寿医療センター研究所・社会参加とヘルシーエイジング研究チームでは、2004年から現在まで「シニアボランティアによる絵本読み聞かせを通じた世代間交流プロジェクト:りぷりんと」を継続しています。具体的な取り組みとしては、①週1回、およそ3ヵ月間にわたる絵本読み聞かせボランティア養成講座を開講し、②講座を修了したメンバーによるボランティアグループの活動支援を行うとともに、③心身機能や認知機能への効果を検証しています。

効果の一例として、毎年実施している追跡調査の結果、読み聞かせボランティア活動を継続している参加者における脳の海馬萎縮が、抑制されていることが明らかになりました

「絵本読み聞かせ高齢者ボランティア」活動の流れ
東京都健康長寿医療センター研究所 社会参加とヘルシーエイジング研究チーム

「りぷりんと」プログラムは、2004年に東京都中央区、神奈川県川崎市、滋賀県長浜市の3カ所で開始されました。その後、現在までに絵本読み聞かせボランティア養成講座修了者が立ち上げた絵本読み聞かせボランティアグループは15団体まで増え、それぞれの地域に根差した絵本の読み聞かせボランティア活動を行っています。

2014年には、上記の絵本読み聞かせボランティアグループ同士のつながりを強化すべく「NPO法人りぷりんと・ネットワーク」(松島康夫理事長)を設立し、現在は約550名が所属しています。

絵本読み聞かせボランティア「NPO法人りぷりんと・ネットワーク」

子どもたちへの絵本の読み聞かせを主な活動としている「りぷりんと」は、Reserch of Productivity by Intergenerational Sympathy(直訳すれば、『世代間交流における生産性の研究』になります)のアルファベットの頭文字をとって命名されています。

Reprints」という単語には「(本の)復刻版」という意味があり、絵本等の名作が何度もリバイバルするように「シニア世代が地域再生の為に復刻する」という願いが込められています。

NPO法人りぷりんと・ネットワーク」は各地域で「りぷりんと」として活動しているグループの連合体です。理事長の松島康夫さんは、10年前に東京都北区で行われた絵本読み聞かせボランティア養成講座の第一期生。東京都健康長寿医療センター研究所が「りぷりんと」の活動と理念を広く普及するため、2014年にNPO法人を立ち上げ当初からこれに賛同し、4年前に理事長に就任しました。

読み聞かせ活動は「高齢者が取り組むボランティア」にぴったり

私の住む北区で開催される「絵本読み聞かせ教室」は、認知症予防や閉じこもり予防が主な目的ですから、基本的には65歳以上の人しか応募することができません。我々のグループも家庭の事情や体調を崩して5名が退会し、現在は当初から活動している最高齢88歳、続いて85歳、83歳の方と76歳の私、その後5名が新たに加わり実働9名(休会2名)で活動しています。グループが発足した当時から高齢者が多く、グループの将来を心配していたことが、「りぷりんと・ネットワーク」に協力する動機にもなりました。

主な活動場所は、新型コロナウイルスが流行する前は保育園、高齢者施設でした。今は会場の広さに余裕のある赤ちゃんサロンや障害者センター、小学校放課後支援、小学校学童保育などで感染症対策を取りながら絵本の読み聞かせをしています。

いろいろなきっかけで学び成長することができる!

 1ヵ所に34名ずつ、私自身も1ヵ月最低6回は読み聞かせ活動をしています。

最初は人前で話すことになかなか度胸というか、踏ん切りがつかなかったのですが、歌舞伎のセリフを大声で出すという講習があり、そこで自分で大声を出したときに吹っ切れた感じですね。絵本読み聞かせ講座はもちろんですが、人それぞれいろいろなきっかけで学び、成長することができると思います。基本的には自分たちのグループでお互いに勉強していくということを大切にしています。

ボランティアに伺うと、現場のスタッフの方々はとても好意的に出迎えてくださりますし、読み聞かせに耳を傾けてくださる皆さんも、大人・子ども関係なく大変喜んでくださいます。高齢者にとって、こんなに良いボランティア活動はないと思っています。できれば全国にこのボランティア活動を広めて行きたいと思っています。


 

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