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昆虫食が普通に食卓に並べられる時代になればいい

TAKEO株式会社 代表取締役 齋藤健生さん(37歳)

人間、ちょっとしたきっかけで人生は変わるものです。齋藤健生さんも公園でセミを捕まえて、「きっと昆虫を食べたい人がいるよな、でも売ってないよな。昆虫食を提供できれば、そんな人を喜ばせることができるかもしれない」と思い立ち昆虫食の販売を始めたのが2014年。当時は昆虫食を輸入販売していたのが、今日では全国の昆虫生産者と一緒に国産の昆虫食を商品化するまでに。「昆虫が野菜や魚、肉などと同じように食材として、食卓に並べられる時代になればいいな」と考えているそうです。

2013年に国際連合食糧農業機関(FAO)が、世界の食糧危機の解決策として「昆虫が有望な食材だ」と発表したことがブームのきっかけに。齋藤さんはそんなことも知らずに「食べたいと思っている人に、食べられる虫を届けたい」と創業。当時日本には昆虫食専門の会社がなく、周囲の人たちや家族は誰が買うんだと心配し反対していたそうです。

齋藤さんは自社サイトを作りネット販売したところ「需要があるのか不安でしたが、1週間も経たないうちに1つ売れたことで、私の中では需要があると確信が持てました」

海外から昆虫食を輸入販売する中で、購入者からはお店で実際に見て触って選びたいという要望が増えお店を作ることに。「女性のほうが虫は苦手だと思っていましたが、店舗では女性のお客さんが多く、食への好奇心も強いです。昆虫大好きな子ども達も夏休みには自由研究などで賑わいました。今の若い方は昆虫がゲテモノ扱いされてきたことは知らず、フラットで新しい食品として見ています」

2019年以降はスタッフも揃い事業を拡大。その一つがタガメの青リンゴのフルーティーな味と香りを使った“タガメサイダー”「これは一部の愛好家がタガメとウォッカやポカリと合わせて楽しんでいたもので、日本人のアイデアなんです。日本のタガメは絶滅危惧種で売買禁止。タイからタイワンタガメを輸入して使用していますが、同じ昆虫を消費する会社として昆虫資源保全に貢献するために、タガメ基金を設け、タガメの基礎研究をしている長崎大学の研究室に売り上げの一部を寄付しています」

また、トノサマバッタ養殖事業『むし畑』を開始し、弘前大学と食用利用に関する共同研究も開始しています。牧草を食べるトノサマバッタは美味しく、雑草が資源になる可能性を秘めていることも魅力の一つです。

そして、今注力しているのは国産昆虫シリーズです。昆虫食への期待から様々な地域の企業が昆虫の養殖に取り組んでいます。しかし昆虫を養殖したけど、どのように加工して販売すればよいのかわからない。そういった相談に応える形で、現在は14の産地の昆虫を商品化しています。(15・16頁に紹介)

さらに2022年4月にはニチレイが新たな食材として昆虫を考えるべきタイミングだということで、国内で専門的にやっているTAKEOと資本提携しました。

少しずつですが着実に拡大している昆虫食。当たり前のように食卓に出てくる時代は早いかもしれません。

 

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