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ワールドカップ優勝はアンプティサッカーの方が早いかも?!             

アンプティサッカー選手 松茂良ジアス・エンヒッキさん(35歳)

 アンプティサッカー(Amputee:四肢切断者)をご存知でしょうか。1980年に米国のシアトルで始められた身体障がい者のためのサッカーです。日本へは2009年にエンヒッキさんの来日により全国に広がり、現在全国10チームの選抜がワールドカップ優勝を目指しています。片脚でどうやってボールを蹴るの?と思われるかもしれませんが、「結構アクティブでスピード感があります」というエンヒッキさんに教えていただきました。

アンプティサッカーは7人制で、2本の「ロフストランド・クラッチ」を使用し、クラッチを軸に身体を支えて片脚でボールを蹴ります。

エンヒッキさんは5歳の時交通事故で右脚を切断し、アンプティサッカーに出会ったのは10歳。18歳でトルコのワールドカップにブラジル代表で出場。その年に日本の外資系企業に入るために来日。当初はアンプティサッカーを誰もやっていなかったため、知的障がい者の子ども達とサッカーをしていたそうです。そして、義肢装具屋さんにも声をかけてもらい、1年後には興味のある5、6人でスタートしました。

「2010年にアルゼンチンのワールドカップに招待があったので参加しましたが、1試合も勝てず最後に1点だけ取りました。みんなはこんな経験をしたことはない、負けたから辞めるんじゃなくて、これから日本中に広めて大きくしていこうと話し合いました」

帰国後は神奈川、九州、関西、広島とチームができていきました。

脚や腕をいつ切断するかは誰にもわからない。選手の中には精神面でのダメージもある「大人になって生活に慣れていて脚を切るというのはダメージが大きく、中にはうつ病になりかけたという選手もいました。また、サッカー選手も脚を無くしてサッカーができないと落ち込んでいたら、アンプティサッカーを知り前向きに明るくなった人が何人かいます」サッカー選手だった人の感覚はアクティブで、アンプティサッカーでもスピード感と強いシュート、フェイントをかけているそうです。

アンプティサッカーの知名度はまだ低く、女性だけのチームが作れないことから、女子や子ども、高齢者もみんな男子と同じピッチで戦っています。

「昨年から初めて女子のワールドカップがコロンビアで開催されました。日本の女子も男子選手ももっと増やさなければならない。認知度を高めるためには、僕たちのワールドカップ優勝が必要だと思っています」とエンヒッキさん。

1年前から健常者(片脚は使えない)も参加できる「ノンアンプティサッカー」の大会が開催され、そのスピード感、強いシュート。接触の激しいぶつかり合いなどの醍醐味を楽しんでほしいそうです。

アンプティサッカーのワールドカップやヨーロッパ選手権では、プロサッカーのスタジアムで観客が3、4万人も入り、プロサッカー選手並みに人気だそうです。日本もそんな時代が来るのを楽しみにしたいですね。

 

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