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私の生き方と学び 民族楽器コイズミ

世界の音楽文化を知ることができる民族楽器店

京都:民族楽器コイズミ 代表 小泉雅喜さん

小学校でカスタネットやハーモニカ、縦笛などに親しみ、青春時代にはフォークギターやロックをエレキギターで燃えた方も多いんじゃないでしょうか。また地域のお祭りの鐘や太鼓の練習に勤しんだ方は、古い伝統に触れてラッキーです。世界には無数の楽器があり、楽器を通してその国の宗教や言語、政治、自然環境が生む多彩な文化や民族性を知ることができるようです。その世界の民族楽器を販売している民族楽器コイズミを取材しました。

 京都の中心、寺町商店街にあるコイズミを訪問すると、ショーウインドーには珍しい民族楽器が陳列され、店内は博物館のように楽器で埋め尽くされているのには驚きです。

小泉さんによると「1948年頃からおじいちゃんがここで楽器店を経営していて、普通の楽器の中に中国の二胡やモンゴルの馬頭琴、アフリカのカリンバ、ペルーやボリビアなどの楽器がありました。おじいちゃんの体調が悪くなり、平成10年に僕が受け継ぎ、民族楽器店として再スタートしました」

全国には楽器ごとに専門店はあるようですが、総合的に民族楽器を扱っているお店はないそうです。

再スタート当時は民族楽器の商社もなく、各国の民族楽器の魅力に惹かれて修行してきた演奏家が多く、小泉さんも本場の楽器を見てみたいとインド楽器の演奏家に案内してもらってインドへ。

「現地の工房や楽器の知識を教えていただき、その後はオーストラリア、インドネシアからバリ島、トルコ、ベトナム、ネパールへと買い付けに行きました」そのおかげで品質の良い楽器を仕入れることができ、今でも全国の演奏家から注文依頼があり、楽器の音色を確認するためにお店に足を運んで来るようです。

また、「音楽療法学会」からコイズミに出張販売の依頼があり、お店にも呼吸に関連する楽器を求めに来られる方もいるそうです。

「僕は西洋音階がきちんとあっている楽器だけが音楽ではない。2つの音でも3つの音でも、自分なりに音を奏でて楽しくなれることが音楽なんです。楽器を触り演奏することによって皆さんが癒されればいいなと思っています」と、この音楽療法分野にも期待がかかります。

民族楽器専門店としての特色を小泉さんは、壊れた楽器を修理することを挙げています。

「民族楽器修理専門の職人さんはいないですが、楽器を作る職人さんとのお付き合いができ、塗装のしかたや乾燥の仕方、調整の仕方を教えていただきながら勉強させていただいています。販売する前には楽器の状態をチェックしてから販売させてもらっているので、コイズミで買ったら間違いないと安心していただける気持ちで販売しています」

コイズミの2階では、20ほどの民族楽器教室が開かれているのも珍しいこと。演奏家と楽器を愛する人たちとのつながりを作り、信頼を築いてきたことが継続の証なのかもしれません。

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