48歳からの華麗な生き方・老後をサポートする

森林大国日本の緑を守り次代へ継承する!

一般財団法人日本緑化センター 副主任研究員 野口淳さん(44歳)

日本の森林率は68.2%。先進国の中ではフィンランドに次いで世界第2位の森林大国です。国土が南北に長く、急峻な山脈が多く、温度の垂直変化にも富むことから、木本植物(樹木)も豊富で1,600種類にも及ぶそうです。ところが、環境ストレス等による森林・樹木の衰退が世界規模で問題となり、平成3年に林野庁の補助事業として「樹木医認定制度」が創設されました。実際に樹木医の要請に携わる一般財団法人日本緑化センター副主任研究員、野口淳さんに樹木や環境、緑の大切さについて教えていただきました。

 

樹木のお医者さん『樹木医』

日本緑化センターではこれまで、『樹木医』(2,830人)のほか、主にマツ材線虫病から松を守る『松保護士』(539人)、身近な自然再生をコーディネートする『自然再生士』(1,912人)の資格認定を行ってきました。「3つの資格を取得するためには実務経験が必要ですが、実務経験がなくても、花や木々を愛する皆さんも『緑サポーター』に登録すれば、樹木の知識を身につけることができます。ただ、資格を取ることを目的とするよりは、自身が何を学び、そして何に役立てたいのか、そちらの方がよほど大切なことだと思います」と野口さん。

『樹木医』資格が始まって30年。最近ではテレビで取り上げられたり、樹木医を題材にした本も出版され、将来『樹木医』を目指し、大学や専門学校に入る若者が増え人気だそうです。

また、同センターでは『松保護士』の認定もしています。海岸沿いの松林について野口さんにお聞きすると「多くは人工林で、飛砂や海水の飛沫を防いだり、強風を軽減するために、江戸時代に苦労して植えられたものです。この松林がマツ材線虫病にかかると、放っておけば2,3年で松林全体が枯れてしまいます。それを防ぐためにかつては定期的に薬剤散布をしていましたが、事実とは異なるマスコミの報道の影響で、近年は薬剤散布が中止に追い込まれる地域も多く、千葉県平砂浦海岸や九十九里海岸などの海岸林では壊滅的な被害を受けました。私たちは、マスコミの報道をただ鵜呑みにするのではなく、正しい知識と情報を得る努力が必要なのだと感じています」

野口さんは樹木の調査でよく現場へ行くそうです。「調査中に、落ち葉掃除が大変だとか、何の問題もない樹木を安全のために伐採してほしいと要望されることが多いのですが、都市の樹木は地域の景観形成に役立っていますし、欧米ではその地域や建物の資産価値を向上させるものとして緑の存在があります。我が国ではその意識がまだまだ低いので、樹木の安全性を診断するのはもちろん、環境意識を普及させるのも樹木医の仕事です」

最後に「これから日本は、人口減少とともに空地などのオープンスペースが増えることが予想されます。それを管理する立場なので、専門的な知識を持った樹木医や松保護士、自然再生士の活躍が期待されます」と野口さん。その専門家が日本の緑の資産を保全し、次代へと継承を担っていくようです。