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“笑い”で免疫力を高めることができます!!

岐阜保健大学顧問兼教授 薬学博士 永井博弌さん(78歳)

アリストテレスは「笑いは人間に与えられた特権」と言ったそうですが、“笑う”ことで免疫力が高められる、笑いと同じ免疫効果を薬でできないかと研究してきた永井博弌さん。20年間の研究結果は、薬で免疫が上がりすぎると自己免疫疾患が懸念され、逆にアレルギーが増えたりするなどコントロールが難しいと研究を断念。結局「自然な笑いが一番いいだろう」ということに。“笑い”と免疫力との関係についてお聞きしました。

 永井さんは日本になかった免疫薬理学が専門で、アレルギーの薬を2つ作ってきました。アレルギー薬は発作を取る薬と、発作が起きないように毎日のQOLを上げる予防薬の二種類に分類されるそうです。
昔に比べてアレルギーの人が身近に多くなった気がしますという問に、「私の研究のポイントの一つで、病気の原因として遺伝因子と環境因子が影響するので花粉症も含めて何かのアレルギー症状があるということです。環境要因で分かっていることは花粉が増えたわけではなく、生活環境が都市化して砂利道や土の道がアスファルトになり、花粉が飛び散りやすくなったこと。もう一つは高度経済成長での大気汚染が患者数を増やす要因になっています。

そして、もう一つメンタル面では、社会構造の変化により、人間構造が複雑になりストレスや鬱になったりする人が多くなっていると思います」

コロナ禍の対人関係においても、人と人との付き合いができなくなる可能性があり、疾病構造も変わるのではないかと懸念されています。

笑いとポジティブに生きる

また、永井さんは免疫力を上げたり下げたりする研究、ガン患者さんの免疫力を高める薬ができないかと研究を進めてきたました。

「免疫力に関しては笑いと食、睡眠、運動がキーポイントです。

免疫というのは免疫と自律神経とホルモンの三つがぐるぐる回っています。笑いというのは確実にホルモンも自律神経も含んでいるんですね。自律神経系そのものは副交感神経系ですから、笑うと涙が出るのは副交感神経の作用です。ホッとするという笑いの一つのファクターは神経系からから来ています。

そして、ホルモンの内分泌系では笑うことによってエンドルフィン(モルヒネに似た鎮痛作用)や、リラックスするホルモンを出す可能性があります。笑うとメンタルな免疫を押し上げているという気がするんですね。

そこで、笑いの免疫力を起こすような薬が作れないかと研究しましたが、薬ではコントロールが難しいので断念しました。結論は自然な笑いが一番いいだろうということに。また、ポジティブなものの考え方をすれば、免疫細胞に活性化のマーカーが増えることが証明されています」

 “笑い”なら落語や漫才など身近に取り入れることができる日本文化は有利です。

永井さんも漫才や落語も大好き。地元の岐阜は落語の発祥地とも言われており、毎年「全日本学生落語大会」が開催されているそうです。

 

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