48歳からの華麗な生き方・老後をサポートする

知ってますか? 認知症 (48)

川崎幸クリニック 杉山孝博院長

認知症知り地域で支える

サポーターは150万人

1,469,595人。この数字は2009年12月31日時点での「認知症サポーター」の数である。

05年度より「認知症サポーター100万人キャラバン」が始まった。5年間の期間が終わる前にもかかわらず、目標の約1.5倍のサポーターが養成されたことになる。

 地域、職場、学校、老人クラブなど様々な所で開催される「認知症サポーター養成講座」を受講し、認知症を理解して認知症の人や家族を温かく見守る応援者が「認知症サポーター」だ。

周りの人たちにその知識を伝える。自分の職場や地域で、できる範囲で手助けをする。認知症の人や家族に対して声かけをする。そんなふうに自分のできる範囲でできる活動をすればよい。

認知症は医療や介護だけでは対応できない問題を含んでいる。多くの人が認知症について理解すると同時に、その地域に住む認知症の人を支えていくことが重要性だ。

昨年7月24日、神奈川県庁で、わたしが講師となって県幹部職員約300名に対する「認知症サポーター養成講座」が開かれた。すべての幹部職員全員が認知症を理解し、市民の視点で行政に取り組もうと知事が発案されたとのこと。注目すべき動きである。

厚生労働省と認知症にかかわる諸団体は、2005年度から10年計画の「認知症を知り、地域をつくるキャンペーン」を始め、全国に展開している。

 この「キャンペーン」には「認知症サポーター100万人キャラバン」のほか、「認知症の人本人ネットワークの支援」「認知症の人や家族の力を活かしたケアマネジメントの推進」「認知症でもだいじょうぶ町づくりキャンペーン」の4つの事業がある。

 「本人ネットワーク」は認知症の人本人同士の交流をはかり、それを支える動きである。

最近はシンポジウムやインターネットのブログなどで認知症の人自身が発言する機会が増えている。雑誌の特集や書物でも本人の思いが語られるようになった。

この動きを促進し、社会にアピールをすること、本人支援のサポーターを養成するための講座を開設することによって、「介護される側」という認知症の人に対する見方を変えるためにも重要な活動だ。

「町づくりキャンペーン」は認知症の人を地域で支える先進的な活動を顕彰する事業だ。地域に根ざした活動が展開されていることが分かる。

 

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