48歳からの華麗な生き方・老後をサポートする

私の健康づくり あなたはどこで誰に最期を看取られたいですか?!

一般社団法人日本看取り士会 会長 柴田久美子さん

昔は自宅で最期を迎えることが多く、死が身近にありました。家族はあたりまえのように看取り、そして看送りました。いま「自宅で最期を」と望みながら、結局、病院で最期を迎える人は85%に上ります。人生の最期を看取ることへの大切さを訴え、生命のバトンをつなぐ看取りをサポートする『看取り士』を日本で初めて名乗った柴田久美子さん。本人の希望する場所で旅立ちを支援する『看取り士』の養成、派遣サービスを行っています。

日本で初めての看取り士

柴田さんの死生観の原点はお父さんの死。「一人ひとりに“ありがとう”と伝えて亡くなった父の死は尊く、感動を与えてくれました。死は忌み嫌うべきものではありません」

柴田さんが25年前に特別養護老人ホームの寮母として目の当たりにしたのは、入所者が老人ホームで最期を迎えたいと希望しても、最期は病院へ搬送される体験でした。それなら病院のないところへ行けばいいと離島に移り住み、2002年に看取りの家『なごみの里』を開設。10年後に『なごみの里』を岡山に移し、自ら“看取り士”を名乗り『看取り士』の養成を始めたのです。

「看取り方ってそんなに難しいのですか」という問いに、「普段から抱きかかえることはしていませんし、家族だからできるということはありません。その看取り方を教えます。看取りとは魂のエネルギーを受け渡す瞬間なんです。人の魂には数グラムの重さがあり、瀬戸内寂聴さんは『人は旅立つとき、25mプール529杯分を瞬時に沸騰させるほどのエネルギーを縁のある人に渡していく』といわれています。こんなエネルギーを受け継がないなんてもったいないです」と柴田さん。

また、『胎内内観』と看取りの経験から感じたことが、「生まれることと死ぬことは同じこと。死は胎内に戻ることで、戻るためにはそこに引っ越さなければならない。それが死です。そこに引っ越していくのを見守るのが看取りなんです」とも。

 

おひとりさんでも安心です

現在、看取り士は全国に141人。医師や看護師、お坊さんから一般の人までが取得。看取りの要請を受ける“看取り士派遣サービス”は、看取り士が初回訪問して最期をどのように迎えたいかを確認し、ケアマネジャーと連携を取りながら、無償ボランティア(現在170支部)とエンゼルチームを組んで看取るそうです。「いまは在宅よりも施設や病院、ホスピスでの看取りの依頼が多いですね」と柴田さん。

また、60歳代でひとり暮らしの男性の利用が多いという“おひとりさま安心プラン”は、「契約した時から最期の看取りまで24時間365日、緊急時にも看取り士がかけつけます。身寄りがなく家族代わりに入院や手術の同意書に署名したりもします」

2025年、団塊の世代が後期高齢者になるころ、孤独死の時代が到来するといわれています。厚生労働省によると、毎年の死亡者は150万人台になり、47万人の死に場所がないとのことです。

あなたは、どこで最期を迎えたいですか。

あなたは、誰に看取られたいですか。

あなたは、延命治療を希望しますか。

あなたは、何か困っていることがありますか。

小柄な柴田さんは離島にいたころ、ガンを患っています。それまでは1日1食の生活だったのが、いまは1日2食。少食ですが、看取りながらエネルギーをいただいているせいか、元気に毎日を送られています。

 

プロフィール

柴田久美子(しばた くみこ)島根県出雲市1952年生まれ。

一般社団法人日本看取り士会会長、一般社団法人なごみの里・代表理事、介護支援専門員、吉備国際大学短期大学部・講師、神戸看護専門学校・講師他。※本文の不足分は柴田久美子・舩井勝仁共著「いのちの革命」出版/きれい・ねっと(1,500円+税)をお読みください。

血液型はO型

好きな言葉は「感謝」

 

 

 

 

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