特集 『マスク』の予防・対策効果! ― かぜ・インフルエンザ・花粉症・黄砂・メイク隠し・UV対策 ―

コロナ禍を経て、私たちの生活にすっかり定着した「マスク」。
かつてはガーゼマスクが当たり前でしたが、今日ではほとんどが不織布マスクです。そもそも、「マスク」は何のために使われ、なぜここまで進化してきたのでしょうか。
今回は、日本独自ともいわれるマスク文化の背景や、マスクのサイズの測り方、正しい付け方と使い方についてご紹介します。また、かぜやインフルエンザだけでなく、花粉症や黄砂、メイク隠し・UV対策など、さまざまな場面での予防対策としてマスクが効果的であることも改めて学びたいと思います。
今回は全国マスク工業会の横井昭会長にお話を伺いました。
創立20周年の全国マスク工業会 横井昭会長
全国マスク工業会は、(一社)日本衛生材料工業連合会(天田泰正会長)に対し、厚生労働省からマスクのガイドライン策定と表示方法の検討が要請されたことをきっかけに、2005 年3月に発足した業界団体です。
家庭用・医療用マスクの製造や販売業者、輸入業者など現在182社が加盟しており、自主基準に基づく適正な表示推進のほか、フィルター性能の試験方法の統一化、消費者へのマスクの啓発、海外の関連団体との情報交換などを通して、マスクの普及に努めています。
ご存知ですか?! 品質を見分ける目印マーク
「全国マスク工業会」に加盟している企業が製造・販売しているマスクには、安心できる証しとなるマークがパッケージに表示されています。
このマークがついたマスクは、以下の基準を満たしています。
- 製品に関する品質基準が決められており、安全性の評価がされている。
- 製造に関する生産環境・衛生管理・品質管理の確認項目を遵守している。
- 適切な効能・効果の表示がされている。
- 各種試験方法が統一化され、決められた基準に基づいて評価されている。
- 製品に表示すべき事項が決められている。
😷「マスク」の歴史は江戸時代から明治へ、そして現代へ
全国マスク工業会 横井昭会長
衛生マスクの歴史は、江戸時代にまでさかのぼると言われています。映画『赤ひげ』などで、手術の際に布を口の前にかけている場面が描かれています。
明治時代になると、第一次世界大戦後のスペインかぜで多くの人が亡くなりました。
私どもの会社は1964年にガーゼマスクから事業をスタートしましたが、当時のマスクはかなり高級品でした。子どもの頃は学校給食の際にマスクや三角巾をかぶっていましたが、当時このような用途のマスクは薬局ではなく、学校の前の文具屋さんで買うのが一般的だったのです。
😷社会的出来事で素材・形状・使用目的が多様化する
社会で大きな出来事がある度に、マスクの素材や形状も進化しています。
スペインかぜや第一次世界大戦のあった1918年頃には布帛生地の防塵用マスクが使われていました。
1957年に香港かぜが流行した頃から、公衆衛生の一環としてのマスク着用が広がりました。
その後、防塵や保温・保湿を目的としたガーゼマスクが登場し、喉や鼻の粘膜の乾燥を防ぎ、かぜ予防にも役立ちました。喉をウェットな状態に保ち、暖かい空気を吸い込むためには、あの厚みが必要だったのです。
1995年の阪神淡路大震災の際には、復興事業による粉塵、黄砂や公害の影響もあり、ガーゼでは対応できない場面が増え、不織布マスクが主流となりました。この頃、花粉症も広まりましたが、花粉の粒子そのものは大きいため、ガーゼマスクでも十分効果がありました。
不織布とガーゼマスク、どちらが優れているかは目的によって異なり、それぞれ使い分けることが大切です。
2000年以降はSARSやノロウイルスの流行もあり、時代とともにマスクの素材や用途も多様化しています。今ではさまざまな症状や目的に合わせて、マスクで予防対策ができる時代となりました。
コロナが終わっても、マスクは「マナー」の一つに
諸外国ではコロナ収束後、マスクを着用する人が減りましたが、日本では今も高齢者から現役世代がマスクをし、その子どもたちにも「咳エチケットを守るように」と受け継がれています。
マスクは自分自身を守るだけでなく、他人への思いやりや気遣いの象徴です。だからこそ、コロナが終わった今でも日本では世代を超えた文化の一端としてマスクのマーケットが根強く存在しているのです。
種類が多くて迷った時は会員マークとJISがある商品なら安心
全国マスク工業会の会員マークは、ガイドラインに基づいた品質基準を示しています。
例えば、変な材料を使っていない、衛生的な工場で作られているなど、品質に関する情報を表示しています。「○○効果があります」といった表示はしていません。また、ホコリ、チリ、ウイルス飛まつ、バクテリア飛まつを取るフィルター機能の基準については、マスクのJIS規格が定められています。
いずれもパッケージにマークが表示されているので、迷った時はそれらのマークと自分の目的に合ったものを選ぶとよいでしょう。
メイク隠しやUV対策、冷感マスクはファッションの一部
マスクの色も多様化しています。メイク隠しのためにマスクをして目元にこだわる人や、夏場のUV対策や接触瞬間冷感マスクを目的に使う人も増えています。
こうしたマスクを製造しているメーカーは、必ずしもJIS規格を取得しているわけではありませんが、JIS規格や会員マークがないからといって品質が悪いということではありません。
マスクのJIS規格ではバクテリア(細菌)飛まつ、ウイルス飛まつ、微粒子、花粉などについて基準が定められています。
😷かぜの時のマスクのエチケット😷
どうしても出社しなければならない時は!
「せっかく出社したのに……」
頑張っても評価されない“かぜ出社”。
かぜでつらい朝、「休むと迷惑をかけそう。でも出社してうつすのも不安……」そんな悩みを抱えた経験はありませんか?
社会人男女406名へのアンケート(2016年調査)では、「できれば休んでほしい」という声が多数を占めました。しかし、「どうしても出社しなければならない日」もあります。
そんな時こそ、マスクの着用が好印象のカギとなります。
マスクの有無で周囲に与える印象が変わる?!
同じ咳でも、
マスクなし →「不快」と感じる人 約74%
マスクあり → 約27%に減少
さらに「かわいそう」「気遣いがある」と感じる人が増える結果となりました。
マスクは、周囲への配慮を示す大切なマナーです。
マスクで周りの人を守りつつ、自分の体もいたわりましょう!
😷もっと知ろう「マスク」のこと😷 マスク効果と選び方
Q1. 自分に合ったマスクのサイズはどう選ぶ?
各メーカーからさまざまなサイズのマスクが発売されているので、「自分に合うのはどのサイズだろう?」と悩む方も多いでしょう。顔に合わないマスクでは、隙間から花粉やウイルスが侵入し、十分な効果が得られません。とくに大人と子どもでは顔のサイズが違うので要注意です。
1.親指と人差し指でL字形を作ります。
2.L字形にした状態で、耳の付け根の一番高いところに親指の先端を当て、鼻の付け根から1cm下のところに人差し指の先端を当てます。
3.親指から人差し指までの長さを測れば、それがサイズの目安になります。
測った長さが
9~11cm→子ども用サイズがおすすめ
10.5~12.5cm→小さめサイズがおすすめ
12~14.5cm→ふつうサイズがおすすめ
14cm以上→大きめサイズがおすすめ
Q2. マスクはどのくらいの期間使用できるのですか?
マスクを長時間使用していると雑菌が繁殖します。吐息でマスクが湿ってきたり、マスクからニオイを感じたら取り替え時期です。使い捨ての不織布タイプの場合は、1日1枚が目安。ガーゼタイプは洗濯することで再利用できますが、漂白剤などは使用しないでください。
Q3. マスクにはかぜ用と花粉用がありますが兼用はできますか?
かぜ用マスクと花粉用マスクの最も大きな違いは、フィルター部分の性能です。20〜30ミクロンの花粉粒子に対し、ウイルス単体の大きさは0.1〜0.3ミクロン。つまり花粉用マスクと比較して、ウイルスが付着した飛まつ防止を考慮したかぜ用マスクは、より高いバリア性を持っています。逆に、薄くて通気性に優れる花粉用マスクは付け心地のよさが魅力です。
本来は用途に合わせた使い分けをおすすめしますが、あえて兼用するのであればかぜ用マスクを選ぶと良いでしょう。
😷もっと知ろう「マスク」のこと😷 正しいマスクのつけ方
マスクをつける時のポイントは 3つ です。
- 裏と表をきちんと確認する
- ワイヤーが入っているタイプは、鼻の形にフィットするように曲げる
- ヒダを伸ばし、顎の下までしっかり覆う
さらに、マスクの周囲が顔に密着し、隙間がないことを必ず確認しましょう。
外す時の扱い方にも注意
マスクの外側には、飛まつやエアロゾル、花粉が付着しています。
食事などで外す時は、マスク本体に触れず、耳ゴムを持って外すようにしましょう。
〈マナー〉マスクの置き方・捨て方
使用後のマスクには、多くの飛まつや花粉が付着しています。
外した際は、外側が内側になるようにたたみ、
- 袋に入れて捨てる
- ティッシュに包んで捨てる
😷もっと知ろう「マスク」のこと😷 マスクの種類は?!
Q1. マスクにはどのような種類があるのですか?
マスクは用途によって、「家庭用マスク」「医療用マスク」「産業用マスク」の3種類に分けられます。私たちの生活で最もなじみ深いのは、風邪や花粉対策は「家庭用マスク」でしょう。
家庭用マスク
かぜ、花粉対策や防寒・保湿など、日常生活で幅広く使われるマスクです。素材や形状、サイズも豊富で、フィルター性能と通気性のバランスが良く、長時間快適に使えるのが特徴です。
医療用マスク
主に医療現場や医療用として使用される感染防止用マスクで、外科手術などの際に使われます。“外科の”“手術の”という意味から「サージカル(surgical)マスク」とも呼ばれています。
産業用マスク
主に工場などで作業時の防塵対策として使われます。工業用マスクや防塵マスクとも呼ばれ、粉塵の量や性質によっては、口や鼻だけでなく顔全体を覆うタイプもあります。
Q2. 家庭用マスクの素材
「家庭用マスク」は、「ガーゼタイプ」と「不織布タイプ」の2種類に分けられます。ガーゼは「家庭用マスク」として古くから使われている素材で、保湿効果にも優れています。
ガーゼタイプ
主に綿織物を重ね合わせたマスクで、最近では中に特殊なフィルターを縫い込んで花粉などの通過を防ぐものも増えています。
不織布タイプ
複数の原料を組み合わせて作られ、厚みや空隙を自由に調整できるのが特徴です。値段が安く、使い切りを前提にしたものが中心です。
Q3. 家庭用マスクの形状について教えてください。
マスクの形状は、大きく分けて3つのタイプがあります。
使用目的はもちろん、付け心地や顔への密着性などを考慮してマスクを選ぶことで、捕集や飛散防止といったマスク本来の効果をより高めることができます。
平型マスク
一般的なガーゼマスクといえる平型タイプの魅力は、高い保湿性と保温性です。捕集や飛散防止の機能に加え、睡眠時やエアコンの効いたオフィスなどで、乾燥から喉を守るのに役立ちます。また、天然素材である綿織物を使用しているのも特徴です(平面マスクとも呼ばれます)。
プリーツ型マスク
顔の前面にフィットし、圧迫感を与えません。表面がプリーツ状になっているため、口の動きにも柔軟に対応します。マスクをしたまま話してもズレにくいのが魅力です。また、プリーツを上下に広げて装着することで、マスクと口の間に空間が生まれ、呼吸が楽に行えます。
立体型マスク
人間の顔の形に合わせてデザインされているため、隙間なくぴったりとフィットします。マスクと口元の間に空間ができるので、装着時の息苦しさやしゃべりにくさが大幅に緩和されます。また、女性にとっては、口紅移りが少ないのも大きな魅力です。
😷もっと知ろう「マスク」のこと😷 マスク効果と選び方
Q1. マスクを選ぶ際に注意するポイントは?
多くの種類やサイズの中から自分に合ったものを選ぶとき、特に注意したいのが用途と顔への密着性、そして付け心地です。実際には購入前に試すことはできないため、いくつか使ってみて自分に合うものを選ぶようにしましょう。
マスクを選ぶ際の6大チェックポイント
- 購入前 素材・機能をチェックする
- 購入前 形・サイズをチェックする
- 購入後 顔との間に隙間ができないか確認する
- 購入後 耳かけで耳が痛くならないか確認する
- 購入後 呼吸がしやすいか確認する
- 購入後 ゴワゴワしたり不快感はないか確認する
😷もっと知ろう「マスク」のこと😷 花粉症対策にはマスク
Q1.花粉によるアレルギー反応はどうして起きるの ?
花粉症は、スギやヒノキなどの花粉(アレルゲン)にアレルギー反応を起こすことにより発症します。外部から体内に異物(抗原)が侵入すると、体は免疫物質(抗体)を作ります。次に同じ異物が侵入した時、体は免疫機能を働かせて異物を退治しようとします。こうして何度も繰り返すうちに、害のないはずの花粉を異物とみなし、免疫機能が過剰に働くようになります。これがアレルギー反応です。
花粉は目や鼻から入りやすいため、洗い流そうとして涙や鼻水を出し、鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみなどの症状が現れます。
Q2.ある日突然花粉に悩まされるわけ
花粉に悩まされるのは、花粉を吸いこむと体内に「免疫グロブリンE」という抗体(IgE抗体)を作る人です。この抗体を持つ人が、子どものころから花粉を吸い続けることで、体内に少しずつ抗体が蓄積され、ある水準を超えると突然花粉症を発症することになります。
例えると、蛇口からコップにぽたぽたと水が落ち、あふれ出すのと同じです。
Q3.マスクで花粉対策を
花粉は約30μm(人の毛髪の約1/3)と粒が大きいため、マスクで体内への侵入を防ぐのに効果的です。また、花粉に悩んでいない人でも、マスクで日常的に花粉をブロックしていれば、花粉を感じるタイミングを遅らせることも可能です。「花粉は感じないからマスクは不要」と思わず、「花粉対策としてマスクをする」と考え、花粉の時期は積極的にマスクを着用しましょう。
Q4.花粉捕集機能を備えたマスクを選ぼう
マスクを選ぶ際は、花粉を捕集する機能があるか確認しましょう。
マスクのパッケージには、下記の表示が裏面などに記載されていますので参考にしてください。
● JIS適合番号が表示されている場合、花粉に〇がついていればOKです。
(※JIS T9002適合マスクやN95マスク等は感染対策医療用なので、花粉対策として適しているわけではありません)












