全国の患者会と連携して悩み相談に応えたい!

NPO法人日本脳卒中者友の会 理事長 石川順一さん(55歳)
突然の怪我や病気になると、初めての場合には不安になります。医師の説明だけでなく、術後の日常生活の過ごし方や将来の身体のことなど知りたいと思います。そんな時に同じ境遇に遭った人の意見を聞き、自分の不安材料を払拭したい。そんな相談に応えているのが「脳卒中者友の会」。同じ境遇に近い人の相談に応えるためにも、各地の患者会と連携して人数を増やすことがベター。そんな活動について石川順一さんにお伺いしました。
介護保険が始まる以前は病院がサポートする患者会が全国にあり、連合として情報交換などが行われていましたが、介護保険がスタートするとケアマネジャーがそれを担い、患者会は分散しました。若い脳卒中者は40歳から介護保険が利用できるけれど、相談先を探し求めて「脳卒中者友の会」にやってきます。2006年に「全国脳卒中者友の会連合会」がNPO法人として認証され、2014年に現在の「日本脳卒中者友の会」へ名称を変更しました。
「日本脳卒中者友の会」は脳卒中の当事者同士で経験や情報を話し合いながら、よりよい自分の未来を切り開くきっかけを作る事を目的とした会とのことでした。そのために年4回の定例会、オンラインを利用した全国交流会、HPに書き込まれた相談に答える「ピアサポート相談/ピア友」が主な活動になっています。
3年前に理事長に就任した石川さんは、北海道で教員をしていて47歳で脳卒中になり、東京でリハビリをして車いすに乗れるまでに回復したそうです。退院後は、医療ソーシャルワカーになりたく、社会福祉士、精神保健福祉士の資格を取得しました。石川さんの経験や知識が生かされている会の活動の一つ「ピアサポート相談/ピア友」について石川順一さんに尋ねました。
「ピア友は同じ脳卒中者当事者同士やそのご家族からの相談を、お互いの気持ちが分かり合えるということで相談を受けています。相談はメールか直接会うか、オンラインの3つから選んでいただいて交流していただきます」
「ピアサポート」は、ただ当事者だったら誰でもできるわけではなく、傾聴で悲観的に流されず、突き放さないという「技術」が必要、との事。「ピア友」では、勉強を積んでもらった人が対応します。1対1だと関係性が近くなりすぎるので2人のピア友が担当しています。
相談者は圧倒的に脳卒中になった人が多いです。患者家族からも相談が寄せられます。退院後の対応や落ち込んでいる気持ちにどう対応すればよいのかなどです。今後は、当事者を見守っていた経験のある家族にも、ピアサポーターになって頂きたい、と考えています。
※この友の会が、同じ境遇の病気を持つ人たちに情報と勇気とコミュニケーションが取れる組織として期待されています。全国の脳卒中当事者の参加連絡をお待ちしています。