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特集 10月10日は「転倒予防の日」 できることから転倒予防!!

公益社団法人 日本理学療法士協会  佐々木嘉光副会長

日本理学療法士協会は国民の健康に役立つ「ハンドブック」シリーズを発行しています。

ハッドブックには健康寿命/脳卒中/腰痛/心筋梗塞・心不全/スポーツ/糖尿病/変形性膝関節症/認知症/慢性閉塞性肺疾患/女性のライフステージ/がん/栄養・嚥下/肩関節周囲炎/在宅での危険防止/産業分野の予防/小児/変形性股関節症/転倒予防など18シリーズがあります。

今回は『転倒予防』の一部を紹介しています。

個人的に使用する場合は、下記のHPのPDFをダウンロードして使用することができます。沢山の部数にも対応しています。

https://www.japanpt.or.jp/about_pt/therapy/tools/handbook/

 

転倒は不意に起こります。雨の歩道や床面が濡れていたり、段差の踏み外しなどどこでも起こる可能性があります。また、身体機能の低下や薬の副作用などによっても転倒することがあります。また、家庭内の転倒事故の多さも指摘されています。

そして、最近では高齢者の転倒だけでなく、就業中の若い人の転倒事故が増えているそうです。環境整備するだけで回避できる事故も少なくありません。

この転倒による捻挫や骨折回復のリハビリに関わる理学療法士は、転倒を回避するための要因を掲げ啓蒙活動を行っています。

日本理学療法士協会のご協力により、転倒予防できる方法について考えたいと思います。

💫10月10日は「転倒予防の日」

厚生労働省と消費者庁は、日本転倒予防学会と協力して、10月10日の「転倒予防の日」を契機に、国民に対して転倒予防を呼びかけています。

 

⭐️3秒に1人が転んでいる!?

✶65 歳以上高齢者の3人に1人は、1 年間に1回以上転倒すると言われています。

✶2021年時点で、我が国の高齢者人口が3,640万人と仮定すると、実に 1,213万人もの方が1年間に1回以上転倒を経験することになります。

転倒した人のうち、おおよそ5%に骨折が認められると言われていますので、1年間に61万人程度になります。

💫転倒予防のポイント 

 転倒事故の発生場所                            消費者庁・独立行政法人国民生活センターでは、医療機関ネットワーク事業を通じて、転倒事故の発生場所を整理しました。令和3年3月末までの6年間に発生した65歳以上の高齢者による転倒事故情報は606件で、そのうち約半数の299件が住宅で発生していました。               

高齢者の「転倒・転落・墜落」による死亡者数は「交通事故」 の約4倍

転倒・転落は骨折や頭部外傷等の大けがにつながりやすく、それが原因で介護が必要な状態になることもあります。令和3年人口動態調査(厚生労働省)によると、 65歳以上の転倒・転落・墜落による死亡者数は9,509人で、交通事故の2,150人の4倍以上です。

 ・転倒しやすい場所を確認する!

✶ 転倒は、自宅内で発生することが多いです。

✶ 真っ先に思い浮かぶ危険箇所は、段差の多い玄関や階段、滑りやすい浴室ではありませんか?

✶ 実は、庭を除けば、居間で転倒するケースが最も多いのです。

⭐️一度の転倒で寝たきりになることもある!

政府が転倒への注意を喚起しています

加齢に伴い身体機能が徐々に低下し、筋力、バランス能力、瞬発力、持久力、柔軟性が衰え、とっさの反射的防御動作が、すばやく力強く行えなくなります。また、自分自身の予測・期待する動作と現実の動作との間に齟齬(そご:食い違う)が生まれて転倒を引き起こすことがあります。

年を重ねると、いくつもの病気を抱え、何種類も薬を飲んでいる人も少なくありません。薬の作用・副作用によって、立ちくらみやふらつく症状が出るなどして転倒しやすい状態になっている場合がありますので、薬の種類と量を、主治医と薬剤師に相談しましょう。

さらに、自宅で閉じこもりがちになると、日常的な身体活動が減少して、運動機能や感覚機能が弱まり、転倒のリスクが高まります。日頃から可能な限り体を動かし、身体機能の維持に努めましょう。

※ 実際のトレーニング方法は理学療法士協会のサイトでご覧ください

https://www.japanpt.or.jp/about_pt/therapy/tools/handbook/

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