48歳からの華麗な生き方・老後をサポートする

特集 1日1分から始められる らくらく『帯津式呼吸法』

帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。

私たちは1日約2万回呼吸をしているそうですが、今回はその『呼吸』について、帯津良一先生が毎日実践している『帯津式呼吸法』を教えていただきます。「運動をやったことがない、体を動かすのが億劫だという人でも、1日1分からでいい。大事なことは続けることです」と話されています。

昨年88歳を迎えられた帯津先生自身この『呼吸法』で自然治癒力を高め、気功で気と足腰を鍛えて、食養生で楽しく食べて飲み、心の養生でいのちを輝かせることが元気の源だそうです。

ときめいていのちのエネルギーを高める“ときめき”についてもご紹介します。

あなたも毎日“ときめき”を作ってみませんか。

年を重ねるごとに、いのちのエネルギーを高め続ける!!

生命の躍動、歓喜、創造が攻めの養生の目指すところです

帯津先生は「年を取れば肉体は老化しますが、いのちのエネルギーは日々高めることができます。いのちのエネルギーが高まれば、健康になるだけでなく、小さなことにくよくよすることなく、大局を見て生きられる、スケールの大きな人間になれます」と話されています。

帯津先生の理想は死ぬまで医師として働き、日銭を稼いで晩酌をすること。この世を終えるその日まで 「ときめき」をもって生を輝かせたい、そのために欠かせないのが養生だそうです。

目には青葉 朝の気功に夜の酒

この「養生」とは自らのいのちのエネルギーを日々高める生き方のことで、単なる健康法よりも未来志向だそうです。
3つの「攻めの養生」とは・・・
「心の養生」は“ときめき”を持ち、どこまでもいのちのエネルギーを高め続けることです
「食の養生」は大地のエネルギーを含んだ旬のもの、地場のもの、好きなものを少量、ときめきをもって食べることです
「気の養生」は宇宙の気を体に取り入れ、いのちのエネルギーを高めることです。呼吸法と気功がこれに該当します

帯津式呼吸法とは・・・調和道丹田呼吸法

帯津先生の呼吸法は「調和道丹田呼吸法」といって、古来の呼吸法「調息法」を体系化したもの。臍丹丹田(ヘソの下10センチのところ)を意識してしっかり吐くことで、自然治癒力を高めていく呼吸法です。

腹式呼吸とは逆で、息を吸う時はお腹を凹ませて、吐く時は下腹をせり出しながら臍下丹田に気を漲らせて息を吐き切る呼吸法です。

 

帯津式呼吸法5つのポイント
(1) ゆっくり、長く吐く
「呼主吸従」といって、吐く息に気持ちを込めることが重要です。
しっかり吐き切ってしまえば、意識せずとも自然と入ってきます。

(2) 鼻呼吸で行う
空中にはホコリや雑菌も含まれていますが、鼻の粘膜はこれらのフィルターとなってくれます。また鼻で吸着できなかった雑菌やホコリは、気管や気管支の粘膜でとらえて、くしゃみや咳で外に出します。
ところが口にはこのようなフィルター機能がありません。口から空気を吸い込んでしまうと、空中のホコリや雑菌がそのまま体内に取り込まれることになってしまうのです。

(3) 腹式呼吸・逆腹式呼吸
吸うときにお腹を膨らませ、吐く時にお腹を凹ませるのが「腹式呼吸」です。

逆に吸う時はお腹を凹ませ、吐くときにお腹を膨らませるのが「逆腹式呼吸」です。
逆腹式呼吸は内臓のマッサージ効果がより高く、血流が良くなるため、どちらかといえば逆腹式呼吸が望ましいのですが、慣れないうちは腹式呼吸でも構いません。
肩を上下に動かさないようにして、横隔膜と腹筋をしっかり動かすのがポイントです。

(4) 「丹田」を意識して行う
丹田とはおへそから約10cm ほど下にあるポイントです。中国では丹田は「生命の源が宿る場所」とされています。生命の源を意識して呼吸することで、いのちのエネルギーはさらに高まっていきます。

(5) 好きなときに、好きなだけ行えばOK
呼吸法をどれだけやるかは自由です。

1日に何回とか何分しなければいけないということはありません。好きなときに、好きなだけ行ってください。少しずつでも、毎日続けることが大事です。

養生には「ときめく心」が欠かせません!!

60年間がん患者さんと接してきて分かったことは、免疫力・自然治癒力を高める最大の原動力となるものは「ときめき」でしかありえないということです。
ときめきと言っても大げさなものである必要はなく、ささいなことでいいのです。日常生活の中にある、素直に喜ぶという気持ち、ドキドキワクワクする気持ちを逃さず大事にすることです。
「ときめいていのちのエネルギーを高める」というと、「明るく、前向きに生きる」というイメージが思い浮かぶかもしれませんが、必ずしも前向きである必要はありません。

「明るく前向きな気持ちを常に持ち続ける」ということ自体、患者さんにとって大きなストレスとなります。

人間は本来、明るく前向きにはできておらず、哀しくて寂しい存在なのだということです。

病気となればなおさらでしょう。「人間は本来、哀しくて寂しい存在である」という考え方に立てば、一種の安心感が生まれます。そうなると不思議なもので、めったなことで慌てふためくことがなくなるのです。そして次の段階では、日々のちょっとした出来事にも「ときめき」を感じるようになるのです。

帯津式 『ゆる養生11か条」

帯津先生が日々実行している「老境をときめいて楽しむための養生」をまとめたものです。

その1 忙しく立ち働く
その2 心から「おいしい」と思うものを少量食べる
その3 晩酌を楽しむ
その4 呼吸法を行う
その5 気功をたしなむ
その6 色気を忘れない
その7 下半身の筋力を保つ
その8 骨の健康を保つ 
その9 生きる哀しみをかみしめる
その10   老化には楽しく抵抗する                                                                                           その11  いい場に身を置く

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