着やすさから驚きと喜びを届けたい!!

株式會社ホリデー商店 代表取締役 川尻健市さん
「思うように体が動かず、洋服が着づらい」「それでも洋服を着る楽しさを実感したい」といった障がい者や高齢者に、「着やすさから驚きと喜びを届けたい」という想いから生まれたのが『片手で着られるユニバーサルファッションOHK(オーク)』です、と紹介するとメーカーのPRかと思われるかもしれませんが、年齢や体型を問わず誰でも着られる洋服がありました。そのOHKのコンセプトについて川尻健市さんにお聞きしました。
川尻健市さんはインドの天然素材の風合いの良さをこよなく愛し、オリジナルプリント柄の生地を販売していました。そして、30・40代の女性を対象に、個性的なデザインと天然素材を使用し、着心地と個性を両立したKILKI(キルキー)ブランドを展開しています。
OHKができるきっかけは理学療法士の小池隆二さん(滋賀県)との出会いだったそうです。
「小池さんはもともとサルエルパンツのアイデアを持っていました。着る側も楽だしうちでも作れるよということで、2018年にファッション性と機能性を兼ね備えたブランドOHKを立ち上げたわけです。OHKは多くの人たちにファッションを通して、充実した毎日を送ってほしいという思いを込めたものです」
OHKのアイテムとしてはサルエルパンツとブラウス3点、ワンピース1点で色や柄も豊富です。「ワンピースは福岡で活動している障がい者タレントで、片麻痺のYouTuber、momoちゃん(百武桃香さん)の意見をふんだんに取り入れて一緒に作ったワンピースです。20代のmomoちゃんには、若い世代のトレンドも意識したアイデアと、障害当事者としての機能性に関するアイデアをたくさん出していただきました」
OHKは主にネット販売が主ですが、デパートのイベント展示販売も多く、インド綿の風合いと機能性が60歳以降の高齢者の目に留まるようです。
「イベントでは障害を持った方だけではなく、一般の方も“これ可愛いよね、着やすいわね”と言ってくださいます。これは障がい者向けなんですよと言うと“あらそうなのね、じゃあなおさら着やすくていいわね”と言われて買われます。障害当事者の方やおばあちゃんへのプレゼントとして買われる方も多いです」と話されています。
OHKの洋服は、機能面のデザインポイントが、見た目のデザインポイントを兼ねていることも特徴です。工夫部分を真似られることもあるそうですが、川尻さんは光栄だと見ています。
昨年は海外からも注目され、「障害を持った方は世界中におられます。ワンピースやブラウスなどは中国のバイヤーが気に入ってくれて大きな注文がありました。これからは海外のマーケットへも広げていきたいと思っています」と川尻さん。これからは障がい者にとっても高齢者にとっても着やすく、オシャレが兼ね備わっているのがトレンドのようです。