48歳からの華麗な生き方・老後をサポートする

減塩食でも美味しく食べられる「エレキソルト」誕生!

キリンホールディングス株式会社

ヘルスサイエンス事業本部 新規事業グループ主務  佐藤 愛さん

2019年にヘルスサイエンス事業部を立ち上げたキリンホールディングスは、発酵・バイオテクノロジー技術を活かして健康分野に参入。社内ビジネスコンテストで「塩味を増強できるスプーン」が認められ、薄味を余儀なくされている高血圧や腎臓病患者に「食事の美味しさを味わって欲しい」と、この秋には改良型エレキソルトを発売。今後はASEANにも販売ルートを拡大したい、という佐藤 愛さんに商品開発について伺いました。

「塩味を増強できるスプーン」と聞いても、どのような機能なのかイメージが湧かない方も多いかもしれません。そのメカニズムについて佐藤愛さんは。

「エレキソルトは、食品に含まれるナトリウムイオンや水素イオンといった塩味や酸味のもととなる味物質が、舌の味細胞に触れると味として感じるメカニズムを利用しました。微弱な電流をスプーンから流すことによって、その味物質を舌の方に引き寄せて、少ない塩分でも味がしっかり感じられるようになります。

電気の感じ方には個人差があり1〜2割の人は味の増強を感じにくい体質を持っています。それ以外の方も、食事の味の濃さに合わせて強弱を選ぶことができ、薄味でちょっと物足りない時には、調味料を足すよりもエレキソルトを使って満足を得ることができます」

昨年、エレキソルトの発売を知ったラーメン店「一風堂」では、塩分3割減の「減塩白丸元味」を開発したばかり、特定店舗で4日間希望する人に「エレキソルトスプーン」を使用してもらうイベントを実施し、減塩食でも美味しさを感じられると話題になりました。

「減塩を始める年齢は40代から60代の方が多く、生活習慣病の発症や重症化を防ぐためにも減塩は重要です。服薬と合わせて食生活を改善することが重要です」

 

改良型新商品の登場

今年秋に発売される「エレキソルトカップ」とリニューアルした「エレキソルトスプーン」は、初期型よりも使いやすく改善し、生産体制も強化されました。特に生産量が少なかった初期型の反省を踏まえ、より多くの人々に手に取ってもらえるようになるとのことです。 

佐藤さんは「第1弾は構造上作りづらさがあり生産量が少なかったですが、今後は増産体制をとりアジア諸国への展開も視野に入れており、エレキソルトを世界中に広めていきたい」と意気込みを語っています。

高齢化が進む日本においてはフードテック、ヘルステック、エイジテックの観点から、健康的な食事をよりおいしく、楽しくする提案と製品開発を今後も推進していくそうです。

日本だけでなく、海外でも需要が高まる可能性があり、グローバルに広がる新規事業に対しても期待が寄せられています。

関連記事