48歳からの華麗な生き方・老後をサポートする

“究極”のユニバーサルスポーツ!!

一般社団法人ミニらいとモルック協会 代表理事 名和厚博さん

フィンランド発祥の「モルック」をヒントに、身体や心に障がいがあってもできるように現場の意見を取り入れ、軽く・小さく・握りやすく、100%日本製で作られた、誰もが楽しめるスポーツゲーム『ミニらいとモルック』が大阪に誕生していました。1歳8ヵ月の子どもから90歳を超える高齢者、障がい者や認知症の方までプレーできる、まさに“究極”のユニバーサルスポーツです。開発者の名和厚博さんにお話を伺いました。

フィンランド生まれのユニバーサルスポーツ「モルック」は、木のモルック棒を投げてピンを倒すシンプルなゲームで、日本では2011年に日本モルック協会が設立されました。2018年にモルックを始めた名和さんは、友人たちと楽しんでいた2年後、介護施設や学童保育、就労支援事業所を運営する事業者から顧問の依頼を受け、「ユニバーサルスポーツであるモルックを多くの人に体験してもらいたいな」と直感したといいます。
「モルックはチーム戦なので、お年寄りなら倒れた木の棒(スキットル)を数えることで頭の体操になり、起こす動作で体も動かせます。子どもにとっては、人との関わりや協調性を学ぶきっかけになる」と考え、デイサービスや就労支援の場で体験会を開きました。

しかし、実際に行うと参加者から思わぬ声が上がりました。
「モルックの棒は約400gあり、お年寄りには少し重かったのです。狙った場所に届かず『当たらへんし、届かへんやん。おもしろないわ』と」。
この言葉が名和さんの心に刺さり、「もっと軽くて、安全で誰でも楽しめるモルックを作ろう」と決意。棒の重さを約1/5に軽量化し、割れにくいカシの木を採用しました。これが『ミニらいとモルック』です。(詳細は15・16頁参照)

普及のために2022年3月に協会を設立。スポーツ庁の委託事業として、ユニバーサルスポーツ事業や障がい者スポーツ推進事業に採択され、「ミニらいとモルック大会」を開催しています。
「大会の最年少は1歳8ヵ月の子ども。大学生チームも参加していましたが、準優勝は3人のおじいちゃんチームで、年齢合計は266歳。3位には障がい者のいるチームも入りました。世代を超えて同じチームで競えるのも特徴です」

また、この競技は室内で楽しめるため、老人ホームやデイサービスのレクリエーションとして導入が進んでいます。特に男性はレクに参加しにくいですが、「ミニらいとモルックならやってみようか」という人が増えています。

今でも「モルック」と両方を続けている名和さんは、「30代のご夫婦が親子連れで大会に参加するなど、世代を超えたつながりが生まれています。将来的にはモルック協会とも協力して広げていきたいと思っています」と話します。

この理念に共感したのが、認知症予防活動コンソーシアム「ニヨ活」代表理事の歌丸和見さん。認知症の方でもグループで楽しめると確信し、プログラムに取り入れています。

 

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