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特集 失敗しない老人ホームの選び方!!

2021.03.08

自分の最期の幕引きをどこで迎えるかはおひとり様と既婚者、子どもがいる、金銭的なことでも選択肢は変わってきます。また、年齢や身体的状態によっても入所施設の選択肢が変わります。

今回は国内の老人ホーム3000カ所以上を訪問してきた有料老人ホーム入居支援センターの上岡榮信さんに、「失敗しない老人ホームの選び方」について聞きました。優良施設を選ぶ見極め方はスタッフの数、認知症の受け入れ体制、看取りケア、食事への対応がポイントだそうです。

一般社団法人 有料老人ホーム入居支援センター

代表事長 上岡榮信さん   

1983年から通訳として海外20余カ国、650施設を訪問してきた経験から、2010年に一般社団法人有料老人ホーム入居支援センターを設立。国内の介護施設、高齢者住宅を入居者と家族の目線、視点から評価、診断、運営法人の格付を行い、入居者に適切な情報と助言、支援を提供しています。

☆施設の種類ではなく“ライフステージ”で選ぶ!!

老人ホームには、高級有料老人ホームから特別養護老人ホーム、最近増えている廉価なサービス付き高齢者向け住宅(略:サ高住)がありますが、上岡さんは「施設の種類で選ぶのではなく、下記の自分のライフステージに合わせて選ぶべきです」と強調します。

上岡式 ライフステージからみた施設の5つの分類

☆自立・健常 お元気な方・身の回りの事ができる方

自立ーA  悠々自適 50m²以上の広い部屋

自立ーB  40m²前後の部屋 入居時は介護施設を避けたいお一人様

☆要支援・要介護  要支援1,2 要介護1,2,3,4,5 を受けている方

介護ーC  安心・快適 確かな介護

介護ーD  低額で費用対効果が良い介護

介護ーE  認知症・終末期に対するプロの介護・看取り

 

★老人ホーム選びを遮る3つの問題点

①住んでいる地域の施設がわからない

全国の市区町村には、高齢者住宅や介護施設の一覧表が整備されていません。だからあなたが住んでいる地域にどのような施設があるのかわからない。不便なのです。

これは介護事業が縦割り行政で、特別養護老人ホームは厚労省、サービス付き高齢者住宅は国交省と厚労省の共同管轄だから。それをわかりやすく一覧表にしようということがなされていないのです。

②入所施設の経営状況が見れないので不安

高額な費用を支払って老人ホームに入居しても、その事業所の収支決算書が見れませんし、法律上は請求しても出さなくてもいいことになっています。大きな法人が全体の連結決算書で黒字だと言われても、自分が入ってる施設の決算書が出ないので、家族にとっても運営が上手くいっているのか、倒産しないのか不安ですよね。

最近では施設の経営が上手くいかず、本来なら倒産になっているのにM & Aという形で事業が他社に売却継承されるケースもあります。こうなると施設側に不利なことがあっても「もう施設を売却したのでわかりません」「前任者がしていたことですから」といいわけになります。

ここ10年間の施設の経営状況を調べると1,2カ所運営している程度ならは大丈夫ですが、8〜30カ所も抱えている場合は施設のM & Aが多いようです。これは数が多くなると、社員教育もできなくなってサービスが低下し、目が行き届かない状態になるからです。

 ③入居一時金保証制度のカラクリ

  • 老人ホームが倒産した際に支払われるべき入居一時金の保全措置として、最大500万円の消費者保護の制度が用意されています。しかし、倒産後入居者が自宅に戻ったり、別の施設に移ったり、そのまま居残ったりとバラバラになった際には支払われないと聞きます。マンションの建て替えと同じように、全員が同じ選択肢で無ければならないのです。高齢消費者のための団体や法律、制度、仕組みも実際には機能していないのがほとんどです。
  • 老人ホームの組織団体は10ほどありますが、事業者のための団体であって利用者の立場のものはほとんどありません。施設問題について消費者センターにクレームを言っても、「施設に電話を入れて確認しますが、それ以上のことはできませんから」と返される場合が多いでしょう。

新刊:安心・快適 高齢者施設ガイド2021   

 上岡さんは10年間で国内3,000カ所の施設を訪問して、優良老人ホームをピックアップしています。昨年度は優良老人ホーム40カ所を選び、今年度はエリアを拡大して260カ所を紹介しています。各エリアでライフステージA〜Eまでほぼカバーできるようになりました。

上岡さんによると、多くの方は自宅のそばの施設に入りたがるそうです。「遠くでもこの施設に入った方がいいですよ」と言っても通じません。なんでこんなひどいところに入るのか。その理由がわかりません。つまり施設の選び方のポイントを、きちんと整理して選んでいないということです。何を基準に選べばよいかをこの本で習得してください。

上岡榮信さん監修  日本経済新聞出版社 

 

★優良老人ホームを選ぶ見極め方

選ぶ基準は経営者、施設長、スタッフの姿勢を見る

◎優良ホームの条件

  • スタッフは入居者の8割以上います
  • 特別養護老人ホームは今まで国の補助金で運営され、入居者3人に対して介護者1名という設定でしたが、それでは入居者が満足できるサービスが提供できないと経営者も認めています。介護者は8時間労働ですが要介護者は24時間対応。夜間トイレに行きたい人が二人同時になると、一人待たすわけです。

それよりも全従業員の総数で考えます。フロントも運転手も掃除のおばあちゃん、食事を作る人、看護師、介護士全部で何人いるか。従業員の総数が入居者の8割を超えると、満足のいくサービスが提供しやすくなります。

 

  • 認知症でも受け入れ体制あります
  • 認知症ケアができるかは一般の人には分かりづらですよね。そこで嘘でもいいから施設に「うちの父はすごく短気で大声出して怒鳴り、杖を振り上げて暴力的なこともあるんです」と言うと、「それは他の人に迷惑だから一度病院に行ってください」「もう少し落ち着かれてから来てください」と9割以上は断られます。それは本物ではありません。でも首都圏でもそういう認知症の人を受け入れてくれる施設があるんです。「部屋が空いてたら明日からどうぞ」と。対応できる自信があるのも、経営者にやる気があるからです。経験があればできるわけです。私がお墨付きを付けているそのような施設は5%しかありません。条件付きでできるところは1割くらいです。

看取りケアにも対応します

認知症の人の受け入れができる施設は、看取りケアもできる体制があります。できれば最期を施設で看取れるかを確認する必要があります。

 

 食事は自前で作っています

私どもが行っている施設のランク付けでは、食事を自前で作っているところは最初から10点満点にしています。食事を外注していたら−5点です。

それは、認知症の人が夕食を6時か7時に済ませると、8時頃になると「食べてない」と言うからです。その時に「食べましたよ」とか「明日まで待ってください」という理屈は通らない。そこでおにぎりなんかを作ってあげることが、自前のところはできるんです。これが外注の契約業者だと「契約外だから有料です」とか、「作り置きして食中毒になったら困る」。つまり責任を取りたくないんですよ。早く仕事を終わらせて帰りたいという考えです。だから食中毒が怖いので、普段からお刺身なんかも出さない。ひどいなと思ったのは、コロナ禍で安全のために野菜サラダと果物を出さないところがあるんです。お年寄りにとっては食事は楽しみですよね。
施設側からすると「自前でやるのは、入居者が82人〜100人ぐらいいないと採算が合わない」となる。したがって大手事業者はみんなめんどくさいから全部外に丸投げなんです。食事を外注して損をしないようにと人を減らしていくと結局は赤字になり、入居者の満足度は逆に下がるわけです。

 

★優良老人ホーム選びをサポートする『アンダンテ倶楽部』

いくら「優良施設の見極め方」を知っていても、スタート段階で闇雲に施設訪問するのは難しいですよね。そこで上岡さんは施設選びの段階から同行し、申請までをサポートしています。入所後も3年間フォローする『アンダンテ倶楽部』もつくっています。費用はかかりますが、全国3000カ所の老人ホームを訪問し、その中から優良老人ホームを厳選しているので、その段階から施設選びがスタートできる有利さがあります。

☆『アンダンテ倶楽部』の流れ

【基本料金】入居が決定した施設の月費用1ヵ月分。

ただし前金の①②の費用は、決定後は差し引かれます。

入居支援申込み時の手付金  55,000円(税込)               無料面談し希望に沿った見学推薦ホームリスト(6〜10カ所)を送る。 届いた時点で手付金を支払う。

見学同行・代行調査費 1日(3カ所まで)16,500円(税込)

入居される方と同行して施設を訪問します。

老人ホームへの移動は車で送迎。1都3県以外は別途費用

※体力が持たない人もいるので1日3カ所訪問が限度ですね。3回行けば9カ所見れます。9カ所見ればだいたい見つけられます。

一緒に施設を訪問して契約にも立ち会います。

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