こんな“地域包括”あったらいいな!

京都市岩倉地域包括支援センター相談員 松本惠生さん
高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう支援する総合相談窓口「地域包括支援センター」が、全国の市区町村にあるのをご存じですか。最近、物忘れが増えてきて心配、一人暮らしの親が心配、介護サービスを利用したいといった相談ができます。困っている人を取り残さないよう、地域の人たちとコミュニケーションを取っている松本惠生さんに、どのような活動をしているのかお聞きしました。
「地域包括支援センター」は2006年4月に全国でスタートし、2025年4月現在では5,487カ所(サブセンターを含め7,374カ所)が設置されています。京都市では「高齢サポート」という愛称で呼ばれ、市内61カ所に設置。「地域の人たちは『高齢サポート』より、『包括さん』と呼ばれることが多いです」と松本さん。
松本さんは、大学卒業後、医療機関に入職しソーシャルワーカーや、在宅介護支援センターの相談員をしていました。介護保険制度が始まるのを機にケアマネジャーの資格を取得。その後、現在の医療法人三幸会に移りました。
「15年勤務を続け、自分の知らない環境で働いてみたいと思ったんです」
三幸会はもともと精神科医療を中心とする法人。認知症分野にも力を入れ、介護保険制度のスタートを機に岩倉地域の地域包括支援センターを受託。松本さんも地域包括の仕事に携わるようになりました。
高齢サポート岩倉は、松本さんをはじめ7人のスタッフで活動しています。にこにこ・オレンジカフェ、農園倶楽部、男たちの作業工房、ものづくり、朝活、みんなでクッキングなど、活動はさまざまです。
「オレンジカフェを始めた直後にコロナ禍となり、集まって交流を図ることを中断せざるを得ませんでした。このままでは人とのつながりが途切れてしまうと思い、畑を借りて農園活動を始めたんです。
担当区域は3学区、約2万8,000人。民生委員や老人福祉員←注1)とも連携しています。毎月のカフェのプログラムも、地域の皆さんに考えてもらいました。「普段から高齢者のお宅を訪ねている皆さんだからこそ、『少し気になる方』に声をかけてくださるんです」と。
注1)老人福祉員…京都市長より任命。一人暮らしの高齢者宅を訪問し、安否確認や話し相手を担ってくれる地域住民
音楽隊やカルタ会、椅子やプランターづくりなど活動の輪は広がり、農園では堆肥づくりにも取り組み、販売許可まで取得したそうです。
「『包括がそこまでやらなくても』と他のセンター職員から言われます」と松本さんは笑います。しかし、活動の多くは地域の人たちの「やってみたい」という思いから始まっています。
「地域の人と一緒に楽しむことが、結果として高齢者を支える力になるんです」
松本さんの言葉から、地域包括は相談を受けるだけでなく、人と人とのつながりを育て、地域で支え合う関係をつくる場所なのだと感じました。









