48歳からの華麗な生き方・老後をサポートする

自己実現を目指そう! 歳を重ねてわかること!

2017.08.30

若い頃はお年寄りの動作や発言が理解できないことが多いですが、歳を重ねていくうちにお年寄りが理解できるようになってきます。そして、還暦を迎える頃になると、いままで歩んできた道のりを振り返るようになり、人生そのものを考えます。生まれてきた意味、残りの人生で生を全うできるだろうかといったことを考えるのもこの頃でしょう。このような考えに興味を持ち「自己実現」を目指している心理カウンセラーの堀部武司さん(77歳)もその一人。

還暦を待つ必要はありません。若くても自己実現に向けて自分を見直すことも必要でしょう。堀部さんの「生きがいと笑いの心理学」から、自己実現について、21歳の若者と81歳のお年寄りの違いを紹介したいと思います。お楽しみください。

堀部武司さん(77歳)・アイこころ心理学研究所 所長 心理カウンセラー

株式会社セールスレップコラボ 代表取締役

 

自己実現に向けて/人の心をいやしてあげる生きがいや笑いを発信!

堀部武司さんは若い頃、戸建住宅の建設時に起こる住民のクレーム処理を担当したことがあるそうです。人間は嫉妬、煽動(せんどう)、嫉み(ねたみ)にあふれ、好き勝手なことを言ってくる。その問題解決のため、いろいろ考えては対応してきたそうですが、後々にその対応は心理学にあてはまっていることがわかったそうです。そして60歳の時、「人の心を癒す仕事をしよう」と、クレーム対応の経験から心理学の勉強をはじめました。当初はビジネスに生かそうと考えたそうですが、「人が喜ぶことをテーマに、人の心を癒やしてあげる生きがいづくりや笑いを発信していくセミナー」へと変わっていったそうです。これは堀部さんご自身の自己実現の始まりでした。

『マズローの欲求5段階説』

堀部さんが勉強を始めたのが、皆さんも1度はご覧になったことがある『マズローの欲求5段階説』です。人間の欲求は5段階のピラミッドのように構成されていて、低階層の欲求が満たされると、より高次の階層の欲求を欲するとされています。

堀部さんは「自己実現をなし得た方の多くが、自分だけの力ではなく、誰かしらないが背中を押してくれた感じがするといっているようです。先日の大相撲の優勝戦も、稀勢の里は自分以外の力が働いた感じがするといっています。稀勢の里の場合はまだ自己実現までには至っていないでしょうが、私たちも生きてきた意味を探りながら自己実現を目指していきたいものです」と話されています。

『マズローの欲求5段階説』

あなたはどの段階ですか?自己実現を意識していますか?

第一階層の「生理的欲求」は、生きていくための基本的・本能的な欲求(食べたい、飲みたい、寝たいなど)。この欲求がある程度満たされると「安全欲求」を求めるようになります。

第二階層の「安全欲求」には、危機を回避したい、安全・安心な暮らしがしたい(雨風をしのぐ家・健康など)という欲求が含まれます。

次の階層である「社会的欲求(帰属欲求)」(集団に属したり、仲間が欲しくなったり)を求めるようにます。この欲求が満たされない時、人は孤独感や社会的不安を感じやすくなると言われます。

ここまでの欲求は、外的に満たされたいという思いから出てくる欲求(低次の欲求)で、これ以降は内的な心を満たしたいという欲求(高次の欲求)に変わります。第四階層である「尊厳欲求(承認欲求)」(他者から認められたい、尊敬されたい)です。

そして最後に「自己実現欲求」(自分の能力を引き出し創造的活動がしたいなど)が生まれます。

 自己実現のための『時間の過ごし方』6つの方法―「交流分析」による

1日はすべての人に24時間が与えられています。この平等に与えられた時間をどのように使うべきか。私たちはストローク(コミュニケーション、ふれあい、やりとり)を求めたり、与えたりするために社会生活を営んでいます。自分のほしいストロークを得るために思案し、相手や環境を操作しようとします。         日常生活の「時間の過ごし方」は図のように6つの方法にわけられます。それぞれ役に立つ面と役に立たない面があり、気持ち的に危険度が少ないものから、危険度が高いものへと段階的になっています。

「親密さ」を除き、一つに多くの時間を偏らせている場合は、ネガティブな面が強く現れる可能性が高くなるでしょう。皆さんの時間の過ごし方のバランスはどのようになっていますか?これを機に少し 振り返ってみてはいかがでしょうか。

★引きこもり(一人の時間)

・心理的に他者を排除して独りになります。
・一人なので感情的にリスクをとらない安全な方法です。
・自分の世界に入り込みすぎて、現実から遊離する危険があります。
★★儀式(セレモニー)
・地域の行事や保護者会など集団の中の一人として存在していますが、他人との深いかかわりはありません。

・ストロークをもらう安全な方法ですが、一方通行でストロークの密度が低いです。

★★★暇つぶし(雑談)
・目的や生産性のない会話です。

・主婦の井戸端会議や喫煙室での社交的な会話など、気晴らしやストレス解消になることも多く、低いリスクでストローク交換が可能です。

★★★★活動(仕事)
・仕事や家事です。

・職場の上司や部下とのかかわり、地域の人たちと情報交換など、特定の目的をもってストロークを交換することです。

・さまざま人々から多くのストロークを得られますが「活動」ばかりに専念しすぎると「定年後うつ」や「空の巣症候群」といった問題が出てくるため注意が必要です。

★★★★★心理ゲーム

・特定の対象と条件がそろうと繰り返しおこなわれる「裏面的交流」で不快な結末で終わるのが特徴です。

・ゲームはかなり密度の高いストロークの交換ができます。

・自分や他人をNot、OKとする交流であり、こじれる人間関係のもととなります。

★★★★★★親交(親密さ)

・非常にリスクが大きいけれど、最も報われることも多い方法です。
・オープンで正直な信頼関係の中で感情や考え、経験を分かち合える関係です。
・最大のストロークを生み出しますが、私たちはそれを予測出来ず、危険を冒すものとして避けようとします。

 

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