48歳からの華麗な生き方・老後をサポートする

老人ホームの失敗しない選び方・チェック方法

2016.09.02

一般社団法人有料老人ホーム入居支援センターの上岡榮信理事長

◎最期をどのように迎えたいか

自分の最期をどこで、どのように迎えるかを学ぶことが大事です。人間の最期は知性も気力も体力も衰えているので、だまされやすい、ごまかされやすい、手抜きされやすいのが実情ですね。そんなことにならないように頑張って勉強していきましょう。

私が入居相談でお聞きするのは、元気なうちに入るか、要介護状態で入るかの2点。とくに、認知症になって入るかどうかがポイントです。皆さんが意外とこだわるのは場所。多くは自宅のそばや子供のそばを希望されます。

その次は入居金や一時金がある程度まとまって払えるかどうか。入居金はなく、月々20万円がやっとという方でも、条件をお聞きしてから施設を探します。

そして最後が死ぬまでピアノを弾きたい、愛犬を連れて行きたい、趣味を死ぬまで続けたい、といった個人的な要望です。

Ⅰ.老人ホームの種類が多い日本

日本の高齢者施設は20種類あり、その中のトップ10です。日本の施設は細かく分類されていますが、元気なうちから死ぬまでいられるのは、有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅、ケアハウスの一部しかありません。「ケアのないケアハウス」といわれていましたが、介護も受けられる特例もあるので、施設を分類して記憶してもあまり役に立たないのです。

私の基準は、どのような認知症の状態でも受け入れてくれる、最期まで看取ってくれるところが一番です。

Ⅱ.施設のチェックポイント

①費用:家賃、食事、管理費、光熱費など。そして介護保険の自己負担分、病院までの送迎や買い物の代行、おむつなど、月額利用料に含まれないもの。このほか、途中で退去する場合の返還金、介護度が進んだ場合の対応や費用も確認しておくことです。

※これらの情報を開示しないようなホームは、トラブルになりやすい。

②設備やスタッフの様子:見学したときに、しっかり観察しましょう。

③運営事業主体:現場スタッフがよくても、運営主体がよくないところはお勧めできません。事業構成や業績を見て、安定した経営母体を持っているかどうかを確かめましょう。

④「スタッフの採用や教育、チームづくり」「ホームの運営や管理」の確認:見学に行っても施設長がまったく顔を見せないホームがありますが、入居希望者に直接会って施設の特徴や理念について話をしない施設長に人生を任せることはできません。

⑤入居契約書、重要事項説明書:入居に関わる条件や規定を読み解く必要があります。しかし、これらの書類を精査しなくてもよいくらい、誠実で良心的な運営法人を選ぶのがベストです。

Ⅲ.入居費用の考え方

最近は料金プランもバリエーションが多くなり、選ぶのが大変です。ぱっと見の金額に惑わされないよう、きちんとシミュレーションを行い、同じ金額でも質のいい施設を選んでください。

3年超えで費用が逆転する                           

最近は「入居一時金ゼロ」のホームが増えています。しかし、一見安上がりでお得に見えますが、必ずしもそうではないことが多いのです。

入居一時金がゼロの場合、サービスや設備のレベルが同じであっても、一時金ありの場合に比べて月額費用が高くなります。このため、短期間しか入居しない場合、入居一時金ゼロのほうが得ですが、入居が長期になると逆転します。 

その目安は3年です。

入居一時金ゼロのホームは「お試し入居」にいいと考える人もいるようですが、そのホームが気にいって長く入居したい場合に割高になってしまうホームが多い。入居一時金が必要なホームでも、90日以内の退去であれば実費以外は戻ってくるので、試したいのであればそちらがお勧めです。

また、入居一時金ゼロのプランは、一般的に低額の物件に多い。費用を最優先し、入居期間が3年以下と見込まれる場合は、入居一時金ゼロのプランも視野に検討するとよいでしょう。

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