特集 いつでも、どこでも、誰でもできる健康法 !
『ラジオ体操』再認識!!
中高年以上の方は小学校で、事あるごとにラジオ体操をした経験があると思います。今のラジオ体操は三代目で、全身を合理的に動かすことができるように考えられており、そのため運動を始める前の準備体操や終わってからの整理体操として活用されています。
このラジオ体操を継続するだけで驚きの健康効果があることが調査研究でわかっています。普段運動習慣のない方は毎日ラジオ体操をすることで、健康づくりができるのです。家の中、公園などでグループで楽しんでみてはいかがでしょうか。今回はNPO法人全国ラジオ体操連盟にお聞きしました。
2028年『ラジオ体操』は100周年を迎えます!
ラジオ体操の音楽が流れると、自然と口ずさむ方も多いと思います。
これからラジオ体操が始まるという心の準備のメロディと歌詞。この音楽と体操が一体となって『ラジオ体操』なんでしょう。
夏休みになると、朝早くからラジオ体操が始まります。毎日、参加してハンコをもらい、最終日には皆勤賞や参加賞の鉛筆やノートがもらえることが楽しみで継続できました。
国民の健康増進を目的とした体操を逓信省(現在の株式会社かんぽ生命保険)が制定し、NHKがラジオで放送したのが1928年。2028年にはラジオ体操は100年を迎えます。
全国ラジオ体操連盟の荒木田裕子会長は、ラジオ体操で「多様性を認め合って生きる社会」を目指しているそうです。
「いつでも、どこでも、だれでも」できることをモットーにしてきたラジオ体操。100周年にはさらなるジャンプのためにどのような企画が組まれるか楽しみです。
『ラジオ体操』はどのようにしてできたのか・・・
全国ラジオ体操連盟 事務局長 福士康夫さん
アメリカの健康増進体操を日本独自の体操用に作った
全国ラジオ体操連盟がNPO 法人化したのは2011年です。任意団体としては1963年から活動しており、所管の郵政省の中に事務局を構えていたそうです。
ラジオ体操の始まりは、1925年にアメリカの生命保険会社が健康増進体操のラジオ放送を始めていたことを、当時の簡易保険局の職員が知り「体操は国民の健康増進になり、長生きしていただければ」と日本に導入したのが1928年。アメリカとは全く違う、日本独自のラジオ体操が作られた。これが初代のラジオ体操です。
テレビのない時代でしたから、全国の郵便局の職員がラジオ体操の図解を配布、レコードを作ってレクチャーし、郵便局職員が実演して回ったり、体操の先生たちも講演して回って普及させたようです。
やがて日本が戦争に負けて一旦中止に。
今のラジオ体操は三代目です
戦後1946年にNHKを中心に二代目の「新しいラジオ体操」が3つ作られ、夏から放送開始されたが約1年で中止に。一度にラジオ体操第1~第3をするのが難しいこと、戦後間もない頃で生活に余裕がなかったことが理由のようです。
その後、1951年にラジオ体操を復活して欲しいという要望が寄せられ、今の三代目のラジオ体操第1ができ、翌年に第2ができたそうです。
後にできた「みんなの体操」は1999年の国連国際高齢者年記念行事として、みんなが親しめる体操、ラジオ体操第1、第2よりもっと幅広い人たちにもできるように、椅子に座ってできる体操ということも最初から考えられていました。そのために老人会や高齢者施設職員たちが持ち帰って、高齢者ができるか意見を聞きながら作っていったそうです。
『1000万人ラジオ体操・みんなの体操祭』
1962年に東京都上野公園で第1回目の「1000万人ラジオ体操・みんなの体操祭」をスタート。62回目を横浜で開催しています。
また、今でも夏休みの期間中、全国47都道府県を回って、ラジオ体操を朝6時半からラジオ放送を生放送しています。主催しているのが全国ラジオ体操連盟と NHK とかんぽ生命保険の3社です。
実年齢より20歳も若い/体力年齢/血管年齢/骨密度の予防に有効
ラジオ体操を週5日以上かつ3年以上実践している、55歳以上の男性211名と女性332名、合計543名を対象に調査を行った結果。体内年齢は実年齢より10歳から20歳若く、骨密度などの数値も良好であること。また、血管年齢や体力年齢も実年齢より若いことが明らかになるなどラジオ体操が健康づくりに効果があることが明らかになりました。
※この調査は(一財)簡易保険加入者協会委託調査「平成25年度ラジオ体操の実施効果に関する調査研究」より