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障がい者がアートで夢を叶える世界を作る!!

(一社)障がい者自立推進機構  

創業者代表理事 松永昭弘さん(55歳)

世界の障がい者は人口の約15%、日本は人口の約7.4%だそうです。障がい者自立推進機構の松永さんは、障がい者が描く絵を作品として企業に採用頂く支援を始めて16年。障がい者の参加登録は700名以上、応援する企業は250社。障がい者がアートで夢を叶える世界をつくり、企業の文化的価値を高める『パラリンアートⓇ』の世界を築きあげてきました。今年から世界の障がい者にも呼びかけていく『パラリンアート』についてお聞きしました。

2003年に訪問リハビリ事業を全国展開していた松永さんは、在宅や施設を訪問したときに障がい者(児)の描いた絵のクオリティの高さに感動。そのまま埋もれていく絵を、何か社会とつながりができないものかと始めたのがパラリンアートです。

「遺影写真の仕事をしていた時に、お子さんの遺影を修正してあげたことが大変喜ばれ、ありがとうと感謝される仕事をしたいなと思い、次に訪問リハビリ事業を始めました。リハビリで筋力がついて歩けるようになったり、寝返りをうつことができるだけでも感動され喜ばれました。

在宅を訪問すると障がい者は絵を描くことが多く、その絵がどんどん溜まっていくんですね。その絵を私個人の活動として、企業に使ってもらえないかと飛び込みで訪問。採用されるのは100軒廻って1軒ほどでした。でも、企業も応援したい社会貢献したいという意識はありました」

やがて松永さんは訪問リハビリ事業を売却し、2012年に一般社団法人障がい者自立推進機構を立ち上げて取り組むことにしました。

 

お金より喜びの方が大きい

『パラリンアート』の仕組みは、障がい者手帳か医師の診断書があれば誰でも参加登録できます。企業には描いた絵を複製印刷して額装したものをレンタルで展示していただくことでサービス開始。最近ではカレンダーや商品パッケージ、Tシャツ、自販機のデザイン。壁面に直書きする空間アートにも障がい者アーティストが採用されるようになってきました。

「私たちは障害者がアートで夢を叶える世界を作ることが目的で、助成金や補助金はもらっていません。企業も社会貢献していることをお客さんや取引先に知ってほしいという意識があるので、そのことをプロモーションに活用することでぐんと伸びてきました。

アーティストにはいろいろな経費を引いた利益の半分を報酬として渡しています。全部で年間約1000万円をお届けするまでになってきました。障がい者の金銭的困窮を改善したいために始めたのですが、お金よりも自分の作品が採用されたことへの喜びの方が大きいようです」

今年から世界へ活動していくという松永さんは、「世界に出るために、デジタル画像作品が盗まれたりコピーされないよう、電子証明で誰の作品かがわかるブロックチェーンを使ったNFTという技術を採用します」それにより1年間で3000人、その翌年には1万人の障がい者の参加を計画しています。日本からも沢山の障がい者アーティストが世界へ羽ばたいていくチャンスでもあるのです。

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