誰でも簡単に“ブンネ楽器”で演奏が楽しめます!
(一社)日本ブンネ音楽協会 代表理事 丹羽大規さん(36歳)
1960年代から流行ったフォークソング。フォークシンガーに憧れてギターを買って練習するなど、チャレンジした方も多いのではないでしょうか。そして、完全にマスターできず諦めた方も多いと思います。そんな方でも、少しの練習で簡単に演奏できるというスウエーデンの“ブンネ楽器”があるそうです。「子供からお年寄りまで演奏する楽しさを広めていきたい」という丹羽大規さんに“ブンネ楽器”につい伺いました。
30分ほどの練習で簡単に演奏できる“ブンネ楽器”とはどんな楽器なんでしょう。右ページの写真のスウィングバー・ギターにチャイムバー、ミニベース、ここにはありませんが単音フルートの4つの楽器だそうです。
丹羽さんが“ブンネ楽器”に出会い、2021年に協会を立ち上げて活動に入りました。
「ブンネ楽器はスウエーデンの音楽家のステン・ブンネ先生が開発した楽器です。同氏は音楽教育を専門にしていて、楽譜と楽器を簡素化することに着目しました。楽譜が読めなくても、高度な演奏技術がなくても、自分なりの演奏参加の方法を見つけることで、誰もが音楽を楽しむことができるようになるのです。
ブンネ楽器はすでに10年以上前から日本に入ってきていました。現在、ブンネ・メソッドを学ぶことのできる検定の整備や各種テキスト等の開発が進んでおり、これからはさらに多くの高齢者施設や幼稚園等でも楽しんでいただけるよう活動していきます」と話されています。
スウィングバー・ギターの場合、弦は4本だけで手で抑えなくても、スウィングバーを移動するだけで弾けるので、力が弱い人でも演奏が可能です。コードはよく使われる4コードに絞って演奏できるようになっており、色分けをすることで視覚的にも理解しやすくなっています。
丹羽さん自身も声楽家で音楽の楽しみ方を研究しています。
「全ての人がブンネ楽器を演奏しながら楽しむというスタイルだけでなく、既存のギターやマスカラなどそれぞれが演奏できる楽器で参加するなど、柔軟で自由な形の普及を考えています。
過去に楽器に触れたことのある認知症の方は、特にブンネ楽器を活き活きと演奏されます。楽器演奏の記憶は消えないようです」“ブンネ楽器”は演奏してみてこそ良さが分かるので、お楽しみ会など楽器に触れてもらう機会を多く設けているそうです。
「演奏というと上手くやらないと!と、何か苦しいというイメージがありますが、ブンネ・メソッドでの演奏は楽しむための演奏です。音楽を通じ人生を豊かにするということを焦点にして伝えていければいいなと思っています」
誰もが音楽を楽しめる「ブンネ・メソッド」は、すでに世界に広がっているそうです。日本での普及はすぐにやってくるでしょう。