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介護事業所の日本一を決めて業界活性化 “介護甲子園”!!

一般社団法人日本介護協会 理事長  平栗潤一さん

2011年に“介護甲子園”が誕生したのは、介護職の離職に悩んでいたとき。居酒屋で店員さんが元気いっぱいにビールを運んできた。「なぜそんなに仕事頑張っているの?」と聞くと、「私たち“居酒屋甲子園”で優勝することが目標なんです」。この体験がきっけとなり、介護業界で働く人が夢や誇りを持ち、輝けるようにしたいと始めたのが“介護甲子園”。昨年、大会を主催する一般社団法人「日本介護協会」の理事長に就任した平栗潤一さんに介護甲子園の取り組みや介護職の現状についてお聞きしました。

10年前、介護事業の関係団体が横断的なつながりを持つため日本介護協会をつくり、各事業所に“介護甲子園” の参加を呼びかけました。発足当初の参加は135事業所でしたが、年々増え、第10回目は8,219の事業所が参加するまでに。第10回の最優秀賞(日本一)は2021年2月25日、会場であるインテックス大阪(大阪市住之江区)で決定します。

「発足当初はお願いして出ていただく事業所が多かったですが、今では積極的に出場して頂けるイベントになりました。優勝すれば利用者さまからも介護職からも選ばれる施設になりますからね」と平栗さん。

“介護甲子園”のエントリーは無料。選考は今までにない試みや学びと気付き、今後の可能性があるかどうかという観点で行われます。1次審査は、エントリーシートで審査員が30事業所を選考。30事業所はセミファイナル大会でプレゼンや事業所紹介動画をネットで公開し、皆さんの投票で最終的に6事業所を決定。決勝大会は会場の来場者も1票を投じ、審査員とともに最優秀賞を決定するという流れです。

「開催年によりテーマは様々です。例えば、前回は介護旅行、前々回は外国人介護でした」

最優秀賞を決定する“介護甲子園”の決勝大会には1500〜2000人の来場者があり、毎年100〜200人の大学生も招待するそうです。「就職活動の選択肢の一つとして介護業界を加えてほしいという想いがあります。介護資格や経験のない大学生が多いですが、初めて介護の世界を知って良かったという声をいただいています」

また、日本介護協会では高齢者向けの商品を選ぶ時に何がいいか迷うという声があったことから、安心して買えるという証である『介護認定マーク』をつける事業も行っています。また、高齢者の声を商品に活かすために商品開発にも参画しています。

日本介護協会には、世界に目をむけるための海外事業部もあり、ドイツ、スウェーデン、中国、アメリカ、モンゴル、インドなどに1年に一度視察に行き、海外の事業所と情報交換を行っています。「今の日本は人類が経験したことのない、超高齢社会です。日本の介護の取り組みを海外に情報発信することで、地球全体の高齢社会の問題を解決したいという想いがあります。将来は『日本の介護』を海外に広め、その価値をさらに高めていきたいと考えています。そのためにも少しでも多くの事業所の方々に介護甲子園に参加して頂きたいと思っています」と平栗さん。その日も近いと思いますが、『日本の介護』の価値を評価していないのは、私たち日本人なのかもしれません。

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