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“伝統は革新の連続形”で受け継がれている節句人形!!

一般社団法人日本人形協会 第7代会長 金林健史さん(59歳)

♫あかりをつけましょ ぼんぼりに〜♪お雛様を飾りながら唄った方も多いでしょう。節句人形業界では「伝統は革新の連続形」といわれ、本質は変わらなくてもその時代のニーズにあったように変化することで継承していく。今の生活洋式に合わせてA4サイズのスペースがあれば飾れる、30分で三段雛が飾れる雛人形など、その伝統は新しい形で脈々と受け継がれています。昔ながらの節句人形の文化や風習について金林健史さんにお伺いしました。

少子化とともに節句人形の販売数も減ってきています。取り扱う小売店や問屋数はピーク時の約半分。人形を取り扱っているお店は約1000店。節句人形の平均購入価格は18万〜20万円。

協会として日本文化を継承、発展させていくためのPR方法は長年の課題。

「一番の役目は、赤ちゃんが生まれた時に身代わりになって守ってもらうために飾り、皆で誕生を喜んでもらうという儀式だという意味合いを伝えていくことです。しかし赤ちゃんが生まれて初めて用意しようと調べるので、最近ではネットで購入する方も増えています。協会としてもSNS などで発信してPRに力を入れています」

また、文化風習から節句人形の作り方などの説明を統一しようと設けられたのが “節句人形アドバイザー”「お店ごとに説明が違う。何が本当なのよという声から、正しい知識をご提供し安心してご購入いただこうと始めた制度で、現在600名います」

そして、成人したので雛人形の役割は終わったと処分に困っている方のために、協会ではある期間雛人形を集めて供養しています。「本来はおばあちゃんとお母様と本人の三代のお雛様が残っているのが一番よい姿です」と金林さん。しかし残せない住宅事情から、狭いスペースでも飾れて簡単に収納できるお雛様が誕生しています。

長寿を願う『重陽の節句』

節句には1月、3月、5月、7月、9月があります。

「1月は赤ちゃんを守ってもらうため、年末から破魔矢や羽子板を飾って新しい正月を迎えます。3月の『桃の節句』は、赤ちゃんに降りかかる厄や災いを人形が身代わりになり、無事成人できることを願ったのがお雛様の役割です。

5月の『端午の節句』は家飾りと外飾りがあり、家飾りは身代わりに守ってもらう鎧を飾るのが正式です。外飾りの鯉のぼりは生命力の強い魚で、立身出世を願う飾り。7月は星祭の『七夕』。

そ し て 、9 月 9 日 は『 重 陽 の 節 句 』。 菊 の 節 句 と い っ て 、 健 康 と長寿を願う節句として文献が残さ れ て い ま す 。 こ の『 重 陽 の 節 句 』で も お雛様を飾る風習があり、持っていた お雛様を飾ったり、持っていない方は 新たにお雛様を購入されます。人形 店としても大人用の落ち着いた色合 いの後の雛を用意して、『重陽の節句』 菊の節句 をPRしています」

少 子 化 が 続 く 中 、 金 林 さ ん は「 こ れ からは海外にも目を向けていこうと思 っ て い ま す が 、外 国で は 人 形 は お も ち ゃという判断をされ、人形が身代わり 的なものとして理 解していただくには 時間がかかりそうです」

節目ごとに催す風習には、それなり の意味があるものです。国内外にお いて日本文化や風習がうまく伝わって いくことを願っています。

 

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