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あなたの地域の巨樹・巨木を見つけて測定しよう!

全国巨樹・巨木林の会 事務局長 農学博士 松島 昇さん

日本には1600種類以上の樹木があります。巨樹(巨木)の長寿は屋久杉の樹齢約2千7百年と言われていますが、世界長寿はアメリカの『パンド』ポプラの群生で樹齢約8万年という桁違いな樹もあります。日本の神社には長年地域を守ってきたご神木があり、お参りした時に「パワーを下さい」とご神木に触れた経験はありませんか。この日本の巨樹の大きさなどを測定しているのが全国巨樹・巨木林の会です。あなたの近くにある巨樹を測ってみませんか。

全国の巨樹・巨木林の情報が明らかになったのは、1988年に環境庁(当時)が緑の国勢調査(自然環境保全基礎調査)の一環として「巨樹・巨木林調査」を実施したことで、多くの人々が巨樹・巨木林に関心を持ち、その存在を再認識するようになりました。 その年に兵庫県柏原町 (現・丹波市) で自治体や大学の研究者、各地で巨樹に関連する活動をしている人たちが集い「巨木を語ろう全国フォーラム」が開催され、毎年フォーラムが開催されるうちに巨樹を愛する人々や関係団体による情報交換が交わされ、1993年に『全国巨樹・巨木林の会』が設立されました。会の活動の一つとして巨樹・巨木林調査を行っており、今日では7万本以上の巨樹・巨木林のデータベースが公開されています。 6年前に事務局長に就任した松島さんは、国内林業調査をはじめ海外林業調査のために海外の林業を見てきました。日本の林業については国産木材比率が2割を切り、最近の円安で3割〜4割弱ぐらいの比率に持ち直したものの、日本国内林業の衰退に心を痛めています。

『全国巨樹・巨木林の会』の自然環境保全活動は、まさしく最近話題になっているSDGsと同じ目的です。

「巨樹(巨木)は地域のシンボルであり、その大きさに圧倒されます。関東中心に巨樹観察会をしていますが、初めての巨樹を見るのが楽しみです。各地域で巨樹の会を作って観察会をされている熱心な方がたくさんいます。できれば、全国で連携して行ければいいなと思っています。

巨樹は単に大きさだけに意味があるのではなく、その存在自体に込められた人と自然との関わりあいの歴史に意味があります。わが国の地方の人口減少により、近い将来には国土管理、自然環境保全上の困難も懸念されていることから、個人的な理想をいえば当会は巨樹を生物文化資源として積極的に守る活動を広め、次世代に継承してゆく責務があると思っています」

会がさまざまな形で協力している環境省生物多様性センターのウェブサイト「巨樹・巨木林データベース」では、誰でも登録されている巨樹・巨木林の情報(幹周や地域等)が検索できるほか、誰もが新たに見つけた巨樹・巨木林を報告することができます。

『全国巨樹・巨木林の会』の会員数は約300名。年会費は個人5000円。

年1度の全国フォーラム、関東中心の巨樹観察会の開催。

年2回の会報やカレンダーが会員特典です。

 ※写真は新宿御苑のスズカケノキの前にて

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