48歳からの華麗な生き方・老後をサポートする

私の健康づくり  やせ型よりポッチャリ型ほど健康で長生きできる!!

東京都健康長寿医療センター研究所 副所長 

医学博士 新開省二さん(63歳)

著書『死ぬまで介護いらずで人生を楽しむ食べ方』を書いた東京都健康長寿医療センター研究所副所長の新開省二さん。大勢の高齢者を体格や血液中の栄養成分別にグループ分けし、何年もかけて追跡調査する『疫学研究』の結果、「粗食は早死にする。たっぷり栄養をとっている人ほど、認知症や脳卒中になりにくい」と綴っています。高齢になるとぽっちゃりタイプの方が健康寿命を延ばし、長生きするというのです。そこで60歳からの健康的な食生活についてお聞きしました。

同研究所の前身、東京都老人総合研究所が設立されたのは1972年。世界で初めての高齢者の研究所でした。2年後に全国の100歳老人調査が行われ、450人のうちの約130人を調査したところ、「カロリーは少な目ですが、意外とタンパク質や油脂など若者的な食生活をしている人が多く、また、体は動かなくても精神的に満足している人が多かったようです」

しかし、なぜ100歳まで生きることができたのかは不明だったため、76年から東京都小金井市で70歳以上の450人を5年ごとに15年間追跡調査した結果、「小太りで牛乳や肉類を取っている人が、健康長寿だという特徴が分かったようです」

さらに、91年から2001年までの10年間大規模な研究が行われ、90年代の高齢者の健康長寿に関わる要因が『死ぬまで介護いらずで人生を楽しむ食べ方』のなかで紹介されています。

「肥満指数のBMIで痩せ気味の人と太めの人、血液中の栄養成分が高めの人と低めの人に分けて追跡すると、栄養成分が低めの人の寿命が短いことが分かり、栄養不足がいろんな病気の発症率を上げて、最終的に寿命に結びついていました」と新開さん。

このデータは『健康日本21(第二次)』にも採用されています。この時、65歳以上の国民健康栄養調査データを厚労省から出してもらったところ、10年前に比べてアルブミンの数値がどんどん悪くなっていることが判明。そこで低栄養の高齢者を減らすための内容が盛り込まれたそうです。

 

健康的な食生活とは

では、60歳以上の健康的な食生活とは?

「定年を迎え仕事を辞めたりすると、食生活が1日2食になりがちですが、まずは欠食しないことです。次に、3食のうち2食は和食的な組み合わせで、主食(ごはん)の他、主菜をたんぱく質中心にして副食は野菜、あとは汁物にする。多様な食品を使った〝多様食〟を意識すると、だいたいバランスのよい食事となります。さらに、不足がちな乳製品や果物を摂るとベストです」と新開さん。

さらに「もう一つ、誰と一緒に食べるかも大事です。一人暮らしでも時々家族や友達と食事する。食べる相手がいるとフレイル(加齢で心身が衰えた状態)や鬱(うつ)が少ないといったデータがあります。そして、自分の歯でも入れ歯でも、特に奥歯2本でしっかり噛める状態にしておくことが、いろんな食品を摂る上では重要なポイントです。栄養問題は、元気なうちから始まっていて、だんだんと深刻になっていくので、栄養不足を早く改善するよう手を打っていくべきです」

では、新開さんご自身の健康づくりは?夫婦とも食べることが大好きで、多様な食事に気をつけていること。また、通勤時に往復40分歩き、さらに研究所内を歩くと1日10000歩に。晩ご飯の後はウエイトコントロールのために30分程歩くそうです。

この私の健康づくりは『ど〜もど〜も』の2020年1月号に掲載されました。

※『死ぬまで介護いらずで人生を楽しむ食べ方』のデータやチェック項目などは、後日『ど〜もど〜も』でご紹介します。ご期待ください。

お急ぎの方は著書「死ぬまで介護いらずで人生を楽しむ食べ方」をご購入ください。

 

 

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