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特集 健康ボウリングの勧め!! 認知症予防・健康・コミュニケーションづくり

公益社団法人日本ボウリング場協会/代表理事 武田竜会長

新井裕道専務理事・事務局長

昭和38年頃に東京・関西・九州で協会設立の気運が起こり、昭和40年に全国統合組織として「日本ボウリング場協会」が発足。ボウリング場の経営者団体としてボウリングの普及、発展活動を続け、平成24年に公益社団法人として新たなスタートを切っています。

「一億総ボウラー」と言われたボウリングブームのピークは1972年。当時ボウリングを楽しんだ人たちは「律子さん🎶 律子さん🎶 中山律子さん🎶」とプロボウラーに憧れていましたね。一般のボウラーも全盛期に比べれば減っていますが、プロボウラーは今でも1000名以上が登録、活躍し、業界ではジュニアの育成にも力を入れているそうです。近年は定年後ボウリングを楽しむ方も多く、ボウリングが健康に良く、認知症予防にもなるというデータが発表されています。

天候も関係なく、いつでも誰とでも楽しめるボウリングがコミュニケーション作りにもなっているそうです。

今回はその人気再来ぶりを日本ボウリング場協会に教えていただきました。

🎳 ボウリングの健康効果/認知症・がん・糖尿病・骨粗鬆症予防

筑波大学の田中喜代次名誉教授は、ボウリングの健康効果について第1に認知症予防への期待を挙げています。主な理由は、健康ボウリング教室やリーグ戦への参加に伴い、開催される曜日と日時の記憶、仲間の名前の記憶やルール・マナーの学習、ハンディやスコアの計算、プロやインストラクターとの交流など認知症予防の多要素が含まれ、さまざまな健康講話を聴講できるからだそうです。
また、全身の筋肉を使うボウリングをおこなうことで、糖尿病や脂質異常症の予防に有効。ボウリング中には血圧が適度に上昇する分、ボウリング後や翌日に血圧の水準が下がり、高血圧症や動脈硬化の予防も大いに期待でき、認知症の危険因子である糖尿病、高血圧、睡眠障害などを回避できるとのことです。

 

フレイル(虚弱化)予防効果も

ボウリングのような運動は、メタボ対策としての有酸素運動と虚弱化対策としての全身運動の組合せであり、メタボ症候群の改善とともに、認知症、がん、糖尿病、骨粗鬆症など老人性疾患の予防に有効。

 

睡眠の「質」改善も

睡眠の長さよりも睡眠の質が重要で、ボウリングを楽しむことで、適度に疲れ、交感神経活動(高体温)から副交感神経活動(低体温)への移行が円滑に進みます。筋力や俊敏性などの身体機能は睡眠時間がやや短いボウリング習慣化群ほど良好です。

 

🎳ボウリングの歴史と変遷

日本ボウリング場協会/新井裕道専務理事・事務局長

近年ボウリングは、スポーツとしての認知が確立され、国体およびアジア大会への参加も正式なものとなっており、業界全体がオリンピック正式種目に向けて活動しています。

ボウリングの発祥は紀元前5200年頃のエジプトだったり、アフリカといろいろ説があります。

10ピンボウリングはアメリカで誕生し、日本には文久元年(1861年)に長崎・出島に最初のボウリングサロンがオープンしたという記事が掲載され、その頃、坂本龍馬が長崎に出入りしていたので、ひょっとするとボウリングをしたのかもしれないと想像されています。

1963年に初の「全日本ボウリング選手権」が開催され、スポーツボウリングの気運が高まり1973年に全日本ボウリング協会は文部省(現・文部科学省)の認可を受け財団法人化。1987年の第42回国民体育大会から公開種目になりました。

 

🎳ボウリング場は減少しても愛好者は健在

全国のボウリング場は1972年には3320とピークで乱立状態。オイルショックで減りましたが一番大きかったのが建築の耐震性基準の厳格化により、老朽化した建物の耐震補強や建て替えをしてまで継続するのが厳しく廃業か閉鎖したところが多かったです。

現在、日本国内でボウリングは年間560万人に愛好され、レジャー性と競技性を持ち合わせたスポーツとして広く普及しています

 

🎳 ボウリングスポーツの基礎知識

基礎知識① 約18m先に置かれている10本のピンを下は4ポンド(1.81kg)程度から、上は16ポンド(7.26kg)のボールを投げて倒すスポーツです。

 

基礎知識② 自分の掌の大きさや指の太さ、投げる癖に合わせてマイボールを作ることで、ボールは持ちやすく軽く感じます。

マイシューズを履くことで安定したフットワークが身に付きます。
投球動作やエイミング(狙いのつけ方)などの技術的指導、用具の選び方、小物類の目的と活用方法は、ボウリング場に所属するプロやインストラクターがアドバイスしています。

 

基礎知識③ ボウリングは一見同じ投球動作を繰り返す単純なスポーツに見えますが、実は経験から得られる洞察力と対応能力が求められる「考える」スポーツです。
レーンには塗布されたオイルの状態(レーンコンディション)で変化をつけています。そのオイルに対応するため使用するボールの表面素材による摩擦や反発力の違い、ボールに指穴をドリルする位置とボールの内部構造との関係がボールの性質に影響を与えるなど、ボウリングのメカニズムは奥深いスポーツです。

 

基礎知識④ ボールを投げれば機械が自動的にスコアを計算してくれます。1ゲーム10分〜15分程度の単位で運動量を決められるので、時間や体力に合わせて運動量を調整することができます。

最近はジュニアは両手投げが流行していて、安定した力強いボールを投げています。

 

基礎知識⑤ 特に年齢制限は設定されていません。

ボールを持ったり転がしたりできない非力な子供やお年寄りは、滑り台(スロープ)からボールを転がして楽しめます。

またガターを防止する「バンパーレーン」の設置もできます。

 

🎳 ボウリングは思った以上に健康効果が高い

健康効果①  新陳代謝が他スポーツよりズバ抜けている

1ゲームのエネルギー消費量は平均40kcal。排出脂肪量は約10gと他のスポーツと比べて高い数値ではありませんが、エネルギー代謝は平均4.0で、代謝率による労作区分ではボウリングの運動量はかなり高いとされています。
その他に、精神面や肉体面にも極度な疲労は見られず、健康的なスポーツなので子供からお年寄りにも適しています。

 

健康効果② 理想的な有酸素運動です

ボウリングは糖質と脂肪が半分ずつ消費される理想的な有酸素運動です。

酸素を大量に取り入れる全身運動なので心臓や肺の機能を高め、組織・細胞に酸素を送り込むことで健康を増進させる。美容にも最適でダイエットにもかなりの効果が期待されています。

 

健康効果③ リズム感やバランス感覚を保つことができる

ボウリングは足腰の筋肉に適当な負担をかけて、ジワジワと筋肉の運動効果があらわれてきます。

また、ボウリングによって、リズム感やバランス感覚も保つことができます。

 

健康効果④ 運動量は軽いジョギングと同程度

ボウリングの運動量を他のスポーツと比べてみると、ボウリングを3ゲーム投げた時の運動量は・・・  

マラソン7分30秒(約3km)

サイクリング20分(約8km)

ラジオ体操50分

散歩70分(約4〜5km)

 

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