抗加齢は意外と自然体がいいのかも?!
NPO 法人アンチエイジングネットワーク理事長 塩谷 信幸さん(83歳)
『アンチエイジング』は15 年前、アメリカの医師が「20 歳をピークに減っていく成長ホルモンを高齢者に与えると活性化する」「加齢に伴う症状の予防と治癒」「抗加齢」という意味で用いたことから注目されてきました。形成外科医の塩谷信幸さんは、メルマガ会員20万人にアンチエイジングの情報を発信すると共に、アンチエイジング医師団のサイトを新たに立ち上げました。どうすれば老化を防止できるのかを伺いました。
当たり前だがバランスのとれた食事をする
アンチエイジングネットワークでは毎年11 月14 日を「アンチエイジングの日」と決めています。昨年のテーマは『食事の問題』。アンチエイジング大賞には片岡鶴太郎さんと川島なお美さんが選ばれています。この『食事の問題』について「炭水化物が人類を滅ぼすといった情報が流れたりしますね。糖尿病の方は糖分は控えた方がいいでしょうが、普通の方は必要で、このことに限らずなにか一つだけで全部解決するものではありません。また、食事を補うためのサプリメントも効能はわかっていません。バランスのとれた食事をきちんとすれば、サプリメントはいらないはずですが、昨今の素材は栄養素が少ないものがあるので、それを補う分にはいいでしょう」と塩谷さん。
そして、今年のテーマ案は『髪』。最近女性の薄毛が増えているのが本当なのかを検証するそうです。薄毛になる要素として、ストレス、髪のカラーリング、洗いすぎなどがあげられます。塩谷さん自身、頭髪を洗うのは床屋さんに行ったときだけ。体もボディシャンプーを付けて洗わないそうで、「ま、僕の場合はずぼらなだけですが」塩谷さんの知り合いの美容外科クリニックでは、肌のトラブルがある初めての患者さんには肌断食、つまりすべての化粧品をやめさせるそうです。「病気でも断食でリセットという考えがありますが、何でもほどほどがいいということですね」と塩谷さん。最近はご自身も腹八分目の食生活だそうです。
内臓が若返れば皮膚も若返る
塩谷さんはアンチエイジングが注目される以前から、長年、女性のシミ、シワ、タルミなど皮膚の若返りを専門にしてきました。この経験から「見た目の美容ばかりに関心を持たれますが、皮膚も体の一部。内臓が若返れば、皮膚も若返ります。皮膚が衰えてくれば、内臓も老化がきていると判断すべきでしょう」
塩谷さんのお父さんは106 歳まで生きたそうです。師事していた先生から「お米でも魚でも皮から骨まで全部食べるのが最高」と教えられ、玄米を食べ続け、93 歳にはゴルフで3 回目のエイジシュートを達成したそうです。一方の塩谷さんは「老化を意識したことはありません」といい、いまでも学会に出かけては勉強し、研究に余念がありません。健康づくりは特にしていないといいつつも、病院に勤務している時はエレベーターを使わずに階段を利用し、毎日1 時間程度は歩いているそうです。若い頃から「医学以外のことは何でも興味があります」が口癖。そんな意欲的な生き方そのものが、老化防止になっているようです。
プロフィール
塩谷 信幸(しおや・のぶゆき) 1931 年生まれ。東京大学医学部卒業。 北里大学名誉教授。北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長。医療法人社団 AAC ク リニック銀座 名誉院長。NPO 法人 アンチエイジングネットワーク理事長。一般社団法人 アンチエイジング医師団支援機構。
血液型はO 型、家族は妻と二人暮らし。息子3 人、娘2 人、孫11 人