『山登り』入門
ひとり・友達・山岳会・専門ツアールート
高尾山からエベレストまで
「愛と感動」の山旅案内人 岡本功さん
(株)アルプスエンタープライズ社長。
北海道から九州、沖縄まで、日本の山々の登山、ハイキング専門旅行社。
https://www.alps-enterprise.co.jp
本格登山は無理だけど、ハイキングかトレッキングをやってみたい。『日本百名山』に憧れ登ってみたいと思われる方も多いはず。山登りならコロナ禍でも比較的安心、子育てが終わって時間とお金の余裕のある方、最近では専門ツアーの6、7割が女性の参加だそうです。また、ご夫婦で『山登り』を楽しむ高齢者も多いそうです。
初めて『山登り』をしたい方はどのルートから入ればいいのでしょうか。友達に誘われるチャンスがあればいいですが、なければ地域の山岳会に入る、あるいは『山登り』専門のツアーに参加するルートを選択することができます。もちろんひとりで楽しむこともできます。
今回は『山登り』専門旅行社の岡本功さんに初めての『山登り』についてのアドバイスをお聞きし、すでに『山登り』を楽しんでいる方の体験談もご紹介します。
🏔初めての『山登り』入門ルート
岡本功さんによると、20年前をピークに山登りをする人は減っているそうです。「最近の傾向は70歳前後の方、特に女性だと子育てが終わった50歳ぐらいになると、自分の時間が持てるようになり山登りに挑戦されます。皆さんの目的は健康づくりです。家族に病人を抱えると出られないわけですが、介護している方がヘルパーさんを頼んで息抜きに出かける人もいます。いずれにしましても時間とお金の余裕がなければ山登りの選択肢はないですね」
友達に誘われたらラッキーです
友達の山登りグループなら気心も知れているし、体力レベルも大体わかるので安心。友達に誘われたらラッキーですね。
地域の山岳会に入る選択肢
関東地区は山岳会が多く、100年の歴史のところもあります。
昔ですと地元の山岳会に入って基礎を学んでいたんですが、山岳会の規則が厳しくて、例会に出なくちゃいけないとか、いきなり槍・穂高はいかせない、低山から始めていくという決まりが面倒くさいと思われる方がいます。また、キャンセルすると友達にも迷惑をかけるのがいやだということもあります。
『山登り』専門ツアーを利用する
旅行社だとコースを公表していますので、日程が合えば行けますし体調が悪ければキャンセルすれば済むので気軽に申し込みができます。
ツアー会社によってやり方や雰囲気も違いますので、自分に合ったところがいいでしょう。それぞれの地域にはツアー会社があり、その地域の山をよく知っているので、身近なところでもいいですし、自分が行きたい山のツアーを探すのもいいでしょう。
私は植物の説明が専門なので、30年前から10名くらいなら3名ずつ30分ごとに後ろに回って行くローテーションでやっています。最近は花のところに名前を書いた札を置いて、一番後ろの人が回収するという形をとっています。
以前はトラベルイヤホンを使ったことがありますが、皆さん疲れてくるとうるさく感じるので、最近は使っていません。
初心者の方ですと関東なら高尾山が一番行きやすいです。電車に乗って一人で行けるコースなので、ツアー会社とすれば逆に難しいんです。お金払って満足していただける説明をしないと価値がないですからね。
また、専門のツアーで行けばそのうち友達もできますし、今度は仲の良い友達同士で行くというのもありですね。ツアー会社とすれば魅力的なコースを作らなかったということで、それは仕方がないことだと思っています。
参加者の年齢制限はなく最高齢は81歳
私どものツアーは年齢制限はありません。最高齢は81歳です。コースは3、4辺りです。4、5近くのレベルでもよく来る方は78歳です。日頃からジムでトレーニングされていて毎週か2週間に1度は参加されています。
ツアーで不可抗力の事故は無くなりました
今の時代に不可抗力の事故というのはありえないです。かつて夏山の雷は不可抗力だと済ませていましたが、今は雷に当たったらガイドの重大責任、お客さんが亡くなったらガイド生命は終わります。雷鳴を聞いただけで中止という極端なガイドもいるほどなので、不可抗力というのはありえないです。そういう意味では安全なツアーになっています。
⛰初心者には登山セミナーを受けてほしい
私どものセミナーは毎週机上編、実地初級編、実地中級編、実地上級編を開催しています。初心者の場合には講師が話をして最後に質問を受けて、お客さんと一緒に登山用品店に行って用具の品定めをしてあげています。今では装備を揃えると10万円ぐらいかかります。
また「岩場編」は槍ヶ岳・穂高岳、剱岳などのコースには岩場・鎖、ハシゴ等が出てきますので、それらを扱う技術的なことを実地勉強してもらいます。北海道の初級コースで鎖場にハシゴのあるところは受講は必須です。