特集 深くて広い「折り紙」の世界
日本折紙協会
今年50周年を迎える日本折紙協会(半田丈直理事長)は、日本の伝統的な造形文化の「折り紙」を伝承・発展させ、国内外に普及させることを目的に創設され活動しています。また、2002年には折り紙に係る雑誌・単行本の出版、販売、イベント開催を主な収益事業とする「株式会社日本折紙協会」を設立し、普及活動と棲み分けしています。
日本人の手の器用さからさまざまな折り紙の作品が誕生しているのをご存知でしょうか。この身近な「折り紙」の世界について日本折紙協会の半田丈直理事長に教えていただきました。お話を伺うほどに「折り紙」は深くて広く、その技術は驚くばかりです。
「一度は鶴を折ったことがあります」という方は多く、「今は折れません」という方は思った以上に多いそうです。
教えるために「折紙講師」になりましょう
この著作権のある作品を個人が折って楽しんだり、ボランティアで身近な人達に教えたりする分には問題ありませんが、許可を得ずにビジネスとして教えたり、誰かに教えてもらった作品の著作権を知らずにYouTubeにアップして、それでお金を取ると著作権法違反になる可能性がありますのでご注意ください。
生徒を集めて教えたりする立場では「折紙講師」になることを推奨します。そのためには、日本折紙協会の会員になって株式会社日本折紙協会が発行している「おりがみ4か国語テキスト100」に掲載されている100の作品を折って送ります。正しく折れているかチェックされ、認められた方は「折紙講師」として認定されます。その上には折紙師範、上級折紙師範があります。
「折紙講師」になり年会費を納めると「月刊おりがみ」が届きます。現在その会員は約10,000人だそうです。
※「おりがみ4か国語テキスト100」は折り紙のバイブル。購入して楽しんでみてください。1100円(税込)
折り紙の歴史
7世紀初めに大陸から紙の製法が日本に伝えられたのち、日本人の工夫によって薄くて丈夫な紙、「和紙」が生まれました。はじめ写経や記録が紙の重要な用途でしたが、神事にも用いられるようになり、神への供物など様々なものを紙で包むようになりました。やがて供物や贈り物を包んだとき紙に折り目がつくことに着目して、包みを美しく折って飾る儀礼折が生まれてきます。
室町時代(14~15世紀)に入ると小笠原家や伊勢家によって様々な礼法が整えられ、紙包みの礼法(儀礼折)もそのころ考えられたものです。今も使われている熨斗包みや雌蝶・雄蝶などの折り方はその名残です。
やがて礼法や決まりから離れて、折り方そのものを楽しむようになったのが「折り紙」です。江戸時代に入ると紙の生産量も増え「折り紙」はいっそう庶民に親しまれるようになりました。寛政9(1797)年には世界で最も古い折り紙の本「秘傅千羽鶴折形」が出版されています。
明治時代に入ると、「折り紙」は幼稚園教育にもとりいれられ、小学校では手工や図画でも教えるようになり、ますます盛んになりました。現在では、「折り紙」は世界各地に広まり、折紙愛好家の団体がいくつもできて盛んに活動を続けています。
※出典:日本折紙協会HPより
折り紙「ORIGAMI」は世界共通の言葉
世界各国に「折り紙協会」があり、それぞれの国との交流も盛んなようです。アメリカは日本より早く協会ができていたそうですが、日本の折り紙の方が古いと尊重してもらっているようです。
「外国の本からも日本折紙協会の作品を紹介させて欲しいとか、作家さんに直接連絡が来てやり取りしています。バーターみたいな形にして、どんどん作品を提供しています。
一昨年はオランダの方がZoomで折り方を見せたりしました。ちょっと一方通行感はありますが、手元が見えて画像化するのは良かったと思います」