最高のサウナは湿度〈蒸気〉で温まる!!
サウナ大使/マンガ家 タナカカツキさん(56歳)
世界中どこの国にもサウナ施設があり、国内外いろんな施設を見てきたというサウナ大使(マンガ家)のタナカカツキさんは“サ道”を世の中に広めた立役者。「昭和サウナは温度で温まり、令和サウナは湿度(蒸気)で温まる。これが本来のサウナのあり方で、それが今の若者にウケています」と話しています。サウナとは息苦しさはなく、サウナ→水風呂→外気で「ととのう」。本来のサウナの真髄についてお聞きしました。
息苦しいサウナは苦手だったタナカカツキさんが、サウナーになったきっかけは2008年に自宅近くにフィットネスクラブができ、昼間貸切状態だった浴室のサウナに室入ってみたことだそうです。
「ヒノキの香りが良くって、サウナ室から水風呂に入った時、みなさんこれをやっていたのかと感激しました」それからエッセイ“サ道”を書き、漫画で“サ道”の感動を描き、2019年にはテレビドラマになったそうです。
2013年に日本サウナ・スパ協会から「サウナ大使」を任命され、毎年サウナの聖地フィンランドに行き、国際会議にも出席しているそうです。
なぜ日本のサウナは皮膚表面だけが熱く辛いサウナだったのか。
「フィンランドのサウナは日本のお風呂のように各家庭にサウナがあります。本場のサウナ室は、薪でサウナストーンを8時間から10時間熱して、火を消して煙を追い出し、その石に水をかけて蒸気で温まるという自然な方法です。スキー場の宿泊施設にはサウナがあり、雪の上や凍っている湖にダイブしたりします。ただ都市部ですと薪は炊けないので、電気を入れて温かくします。
日本ではレジャー産業の一つにサウナがあり、サウナ室にテレビがついていたりするところが大きな違いです。温度だけ熱くすると皮膚をグリルするだけです。今のサウナ室は湿度(蒸気)で熱くするのが主流となりつつあります。湿度のあるサウナ室で身体を温めて、水風呂に入り外気に触れると気持ち良いということがわかる若者が好んでサウナに入るようになったわけです」
サウナ施設は日々変化して、新しいアイデアが考え出されているそうです。
また、サウナが美容と健康に良いということで女性にも人気。あと数年で女性が男性を追い抜くんじゃないか、サウナブームが過ぎた後でもサウナーが定着していくだろうとタナカさんはみています。
「サウナは身体の血流を良くするだけでなく、脳のオンオフがハッキリしていて、サウナ室に入っている間は何も考えることができず、それが脳の疲労を取ってくれます。また、認知症の効果も報告されていますし、お湯に浸かる方が心臓にとってリスクがあることに警笛を鳴らしている医者も多いです。逆にサウナは水圧によるリスクは下がるようです。日常生活が送れている高齢者でも、低温度のサウナから慣れていけば楽しめると思いますよ」
長時間座りながらマンガを描く不健康な生活を送ってきたタナカさんは、サウナーになってから毎日サウナに入っているそうです。腕を見るとスベスベです。
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