私の健康づくり 化粧なし「何もしない」“宇津木流スキンケア法”提唱
クリニック宇津木流 院長 宇津木龍一さん(66歳)
日本人女性の4人に3人が乾燥肌で、3人に1人が敏感肌だといわれています。美しくなりたいと一生懸命化粧をすることがかえって肌を傷めている要因だとわかり、クリニック宇津木流院長の宇津木龍一さんは18年前に基礎化粧品を一切使わず、水で洗うだけの“宇津木流スキンケア法”を提唱。宇津木さん自身、2007年頃から髪をシャンプーせず水洗いだけにした結果、フサフサした健康な髪の毛になったそうです。水で洗うだけのスキンケア方法について伺いました。
美容で一番の関心はシミ対策。宇津木さんは「紫外線でシミができるのなら一番紫外線を浴び続けている漁師さんの顔写真を見てください。赤銅色の顔をしていてもシミがないんです。これに対し化粧品を使い続けている人は炎症があるのでシミになります」
どのようにして “宇津木流スキンケア法”が生まれたのかを尋ねると。
「1999年にシミ・シワ・たるみ治療の専門施設として、北里研究所病院美容医学センターを創設しました。2001年には『美容ドッグ』を開設し、マイクロスコープ(ハンディタイプの顕微鏡)で女性の肌を診断したんです。227人のうち8割以上が乾燥し、干からびてボロボロの状態という驚きの結果でした。その人達に化粧品を使うのをやめていただくと肌の乾燥や炎症は劇的に改善しました。でも化粧品を使い始めると再び肌が悪化したのです。
なぜだろうと調べてみると、ほとんどの化粧品に含まれている油や界面活性剤が、肌のバリアを壊して刺激していたんです。理想的なスキンケアは、やけどから皮膚を再生させる治療法と同じだと気づき、基礎化粧品を一切使わず、水で洗うだけのスキンケア法を提唱したのです」
これまでの美容理論やケア方法とあまりにもかけ離れていたため、驚く方もいたようですが、「18年以上このスキンケア法を3000人以上に指導してきましたが、続けさえすれば肌の乾燥や炎症のほとんどが劇的に改善することは確実で、悪化したという方はほとんどいません。水で洗うだけですから、肌への刺激はほとんどゼロです。乾燥肌や敏感肌、脂性肌の方、アトピーやニキビに悩んでいる方。より美肌を維持したい方には特にお薦めしたいですね」と宇津木さん。
奥さんにこのスキンケア法を勧めたところ、最初は一切話を聞かなかったものの、少しずつ化粧をやめ、3年後には完全にやめたそうです。「横で励ます人がいたからできたのよ。他の人を励ますためにも本を出した方がいいわ」と逆に勧められ、『肌の悩みがすべて消える たった1つの方法』を出版。海外でも発刊され、中国の方も皮膚を診てもらいに来るそうです。
「中国の人達の元々の皮膚は、日本人よりキメが細かく綺麗なはず。『あなたの肌はすごく壊れていますよ』と説明しても、『日本の一番いい化粧品を使っているの』と言われるので困るわけです」と宇都木さん。化粧の害を知らしめるにはやはり時間がかかるようです。
宇津木さんの食事は昼はサラダだけで、夕食が玄米と野菜。そのお陰で長時間の手術にも耐えることができ、幼い頃から手の甲にあったシミも、玄米菜食に変えたことで消えていったそうです。
プロフィール
宇津木龍一 (うつぎ・りゅういち)さん 1954年生まれ、66歳
日本では数少ないアンチエイジング治療専門の美容形成外科医。
日本で最初のアンチエイジング専門施設・北里研究所病院美容医学センター創設、センター長を経て、2007年クリニック宇津木流を開設し現在に至る 。
著書に『肌の悩みがすべて消える たった1つの方法』『シャンプーをやめると、髪が増える』他