盆踊りとのコラボで復活する『日本民謡』

公益財団法人日本民謡協会 広報部長 印南昌信さん(51歳)
『民謡』はお年寄りのイメージがありますが、Z世代には民謡や盆踊りなど日本の文化が新鮮に見えるそうです。都内の中野区や墨田区主催の盆踊りイベントでは、10年前は数百名だった参加者が、コロナ禍で抑えられていた気持ちが解放されたのか、昨年は数千から数万人が集まり爆発、ブームの予兆が出てきたそうです。SNSやYouTubeなどの情報発信を強化して、Z世代の気持ちを鷲掴みしようとしている印南昌信さんにお話を伺いました。
民謡の概念は大正ごろだろうと言われており、その定義について町田佳警氏(邦楽研究音楽家)は「民謡は郷土に生まれ、その土地の風土に影響された声、または節まわしであり、生きるための労苦がしみ込んだ『仕事の声』即ち生活の声である」と示しています。
昔から村ごとに民謡があり、戦後田舎から都会へ出稼ぎに来たり、全国のインフラが整ってきたことで民謡が広がってきたと言われています。その民謡民舞の保存育成や普及、後世に伝承しようと創立したのが日本民謡協会で今年75周年を迎えます。
印南さんによると「協会会員は約1万人、愛好家は10万人以上はいるだろうと思います。会員の8割以上が70歳以上の方ですが、その地域の若者は文化を大切にしたいというアイデンティティーで継承していると思います。協会としても『民謡日本一選手権』や民謡民舞や和楽器の魅力を国内や世界に向けて発信していただく『民謡アンバサダー』を4年前から募集して現在15名います。中にはブラジルに行き日系人と一緒に三味線や歌を歌いながら、盆踊りをしたり津軽三味線を聞かせたりするグループもいます」と、若者がSNSやYouTubeなどで発信しているのを逆に参考に勉強しているそうです。
新しい取り組みとしては、民謡は大衆から生まれてきたものという原点に戻り、参加型のコミュニティを提供しようと『盆踊り』と民謡とのコラボ企画をしています。
「東京では盆踊りがすごく流行っています。錦糸町の河内音頭盆踊り大会には、大阪の歌い手を引っ張ってきて3時間、踊りは同じでも歌い手をどんどん変えて河内音頭を歌うと雰囲気も変わっていくんです。2日間で2、3万人来るんですよ。また、民謡選手権などに優勝した人たちが生で歌うと盆踊りはさらに盛り上がり、歌い手もモチベーションが上がると相乗効果が出ています」
印南さんは民謡が日本の文化の一つなんだと自分の中で消化してくれる人も増え、今が民謡のイメージを変えるチャンスだと捉えて取り組んでいます。
最近の『盆踊り』は屋内でも開催されることで天候に左右されない、お盆の時期でなくても年中どこかで催しているそうです。
『盆踊り』の魅力について、踊りは比較的同じ動きを繰り返すだけなので子どもからお年寄り、外国人まで誰でも踊れる。輪のどこから入っても、いつでも脱け出してもOK。若い女子や外国人には浴衣を着こなす楽しみもあるそうです。今年の夏は『盆踊り』で決まりですね。