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特集『健康日本21』第三次 高齢者1日6000歩以上/成人8000歩以上

高齢者1日6000歩以上/成人8000歩以上

“座りっぱなし”を避けよう!

『健康日本21』を聞いたことがありますか。これは2000年に厚生労働省が21世紀において国民一人ひとりの健康と、実り豊かで満足できる人生を実現するための「国民健康づくり運動」です。健康課題に関わる具体的な目標値を定め、十分な情報提供を行い、生活習慣の改善などに計画的に取り組むことで、国民の健康寿命を延ばすことを目指しています。

そして、昨年『健康日本21』第二次が改訂され、第三次のビジョン及び基本的な方向を「全ての国民が健やかで心豊かに生活できる持続可能な社会の実現」が示され、2024年度からの12年間この方向性で健康づくりが進められます。

 この『健康日本21』ガイドの対象は、身体活動・運動分野の取組を推進するため、健康づくりにかかわる専門家(健康運動指導士、保健師、管理栄養士、医師等)、政策立案者(健康増進部門、まちづくり部門等)、職場管理者、その他健康・医療・介護分野における身体活動を支援する関係者の参考資料としてまとめられています。

一般国民向け「アクティブガイド」の改訂は現在検討中です。

厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」

https://www.mhlw.go.jp/content/001194020.pdf

『健康日本21』第三次の方向性   健康づくりに重点を置く

厚生労働省は10年前に「身体活動基準2013」を策定し、身体活動・運動についてのエビデンスを蓄積してきましたが、国民の「日常生活における歩数」や「運動習慣者の割合」は横ばいから減少傾向を示しています。その要因には機械化・自動化が進んだことや、生活環境の変化によって歩行の機会が減ったこと、運動への啓発や環境整備が不十分であったことなどを指摘しています。これらの背景を踏まえて改訂しています。

 

★予想される社会変化に対応する改訂

  • 少子化・高齢化の進展、総人口・生産年齢人口の減少、独居世帯の増加
  • 女性の社会進出、労働移動の円滑化、多様な働き方の広まりによる社会の多様化 あらゆる分野でデジタルトランスフォーメーションが加速
  • 次なる新興感染症も見据えた新しい生活様式への対応 

改訂の主なポイントは・・・

⭐️個人差を踏まえた「ガイド」に

「身体活動基準」という名称では、「基準」という表現が“すべての国民が等しく取り組むべきこと”という誤解につながりやすいことから、「ガイド」という表現に変更されました。

⭐️ライフステージごとの推奨事項

「健康日本21(第三次)」においては、ライフステージやライフコースアプローチを踏まえた健康づくりに重点が置かれていましたが、今回のガイドでは、身体活動・運動の推奨事項や参考情報が「高齢者」「成人」「こども」に分けて示されています。

⭐️「座位行動」の概念を導入

活動量を増やすためには、“座りっぱなし”を避け、今よりも少しでも多く体を動かすことが基本となることから、今回のガイドでは、新たに“座位行動”という概念が取り入れられました。立位が困難な方においても、じっとしている時間が長くなりすぎないように体を動かすことが推奨されています。

 

身体活動・運動に関する推奨事項

長時間の座りっぱなしに注意!

健康づくりのための身体活動・運動ガイドでは、ライフステージ(成人、こども、高齢者)ごとに身体活動・運動に関する推奨事項をまとめるとともに、身体活動・運動を取り組むに当たっての参考情報をテーマごとにまとめています。また、新たに座位行動という概念をとり入れ、立位困難な人に対しても、じっとしている時間が長くなりすぎないように少しでも身体を動かすことを推奨しています。

なお、以下の推奨事項については、「推奨事項は科学的根拠となる多くの学術論文や日本人の現状値等を考慮して設定したものであるが、実際に取り組むに当たっては、個人差(健康状態、体力レベルや身体機能等)を踏まえ、強度や量を調整し、可能なものから取り組むことが必要である」と付記されています。

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