48歳からの華麗な生き方・老後をサポートする

“免疫力を高めるコツ” 教えます! ㉓

「大自然のリズム」に合わせて生きる

「自立神経のメカニズム」を知っておく

エネルギー代謝と免疫のシステムをコントロールする自律神経に注目し、自律神経が体に起こす興味深い現象を詳しく見ていきましょう。

最初に指摘したいのは、交感神経優位になると知覚が鈍 くなり、副交感神経優位になると知覚が敏感になる現象についてです。

交感神経が優位になると、神経伝達物質の分泌が抑制され、知覚が鈍る知覚鈍麻が起きます。副交感神経優位になると、神経伝達物質がより多く分泌されるため、知覚が鋭敏になり、痛みやかゆみなどを感じやすくなり、味覚や嗅覚も 鋭くなってくるわけです。

男性よりも女性の方が感覚が鋭敏で感性豊かな性格を持っている人が多いのは、そもそも男性は交感神経タイプ、女性は副交感神経タイプが多いからです。交感神経優位が続いて、知覚が 鈍くなることは、実は人間が物事に集中して活発に活動するためには、合理的な状態でもあります。

仕事面で重大局面に差し掛かっている時に、いちいち体の不調が気になっていたら、行動を起こせなくなるでしょう。そういう時、私たちの体は、自動的に体の不調を感じ取る感覚を遮断し、全力で仕事に取り組めるようになっています。

同じように、森を歩いていて熊に出会った時、恐怖の感覚をじっくり味わっいたら身が凍って動けなくなり、熊にやられてしまいますよね。だから、不要な感覚を遮断して、猛烈に戦うなり、一目散 に逃げ出すなりの行動に集中するようにできているのです。

危機に遭遇すると、人間の体は、その状況を乗り越えるために、不要な感覚を遮断して、いわば興奮の極致の状態をつくり出すという極めて合理的な反応をするわけです。そして、危機が過ぎ去り、副交感神経が優位になってくると、「あれ?この傷、いつできたのかな? そう言え ば痛い」と、危機状態の時に受けたダメージに遅ればせながら気づくという現 象が起きます。

では、交感神経優位の極限状態が続いてしまうと、どうなるのでしょうか。

神経伝達物質が抑制され続け、知覚も思考力も 鈍ったままで、体に深いダメージを受けていても、気づかずにそのまま走り続けることになります。これが極致までいくと、人の話が聴けなくなり、何を言われても、受け入れて考えることができなくなります。

過労死の直前などには、人は、このような状態になり、「もう休んだら?」という家族の忠告を聴ける状態ではなくなっていることが多いのです。

上手に「体の声」を聴けるようになる秘訣が、ここに隠されています。つまり、副交感神経が優位になる時間を、確保すればいいのです。人の話を聴けない状態にまでなっている人は、半強制的に休ませるしかないでしょう。

何カ月も休みなしで働いている人は、月に数日でも休みを取れば、少しは副交 感神経が働き始め、さまざまな感覚がよみがえってきます。「そう言えば腰が痛い」「手足が冷えている」「無理な生き方をしている」などと、体調をとらえる力や、 自分の生活を振り返る思考力もよみがえってくるのです。「体の声?よくわからな い』という人は、交感神経が優位になっている生活をいったん遮断する必要があるということです。

 

 

 

 

 

 

 

 

関連記事