“免疫力を高めるコツ” 教えます! ⑲
「エネルギー代謝システム」を利用しよう
「血流のいい人」は疲れない! 太らない!
体の各組織に糖や酸素をんだり、乳酸を押し流したりするのは、血流の働きです。ですから、血流のいい人ほど疲れにくく、疲れが出ても、比較的早い時間で疲れが回復することになります。
逆に、血流が悪い人は、疲れやすい人、疲れが取れにくいと言えるでしょう。 血流は、エネルギー代謝を支え、疲れを溜めないために、非常に重要な役割を果たしていると言えるのです。血流は、体温を保つ上でも非常に重要です。血流は、体の様々な場所で発生した熱エネルギーを、体の隅々にまで届けるからです。
なぜ、ここで体温を持ち出したかと言うと、体温もまた、エネルギー代謝を維持するのに不可欠だからです。前回、ほとんどすべての代謝は、酵素という 触媒が関わって行われていると述べましたが、この酵素の働きの度合いを決めるのが、体温です。私たち人間の体の中で、酵素の働きが最大になるのは、体内の温度が 37・2 度の時です。
「それは微熱がある状態じゃないか」と思われるかもしれませんが、内臓などがある体の内部の温度(深部体温)です。深部体温が37.2°の時、舌下や直腸は大体0.5ぐらい低い、36・5 〜 36・7 度くらいになります。
私たちが普通に体温を測る時には、わきの下で測りますが、ここはさらに 0・5度低くなり、36・2 〜 36・5 度になります。体温は、体表に近づくにつれて、外気などの影響で低くなるわけです。 このように血流が代謝を支え、体温を保ちます。
その体温もまた、代謝を支えます。体温と血流によって、代謝が滞りなく行われていれば、私たちは疲れにくくなり、疲れをためない体質になることが出来るわけです。
血流が滞っている人は体温が下がりがちです。体温が下がると、体のエネルギー効率が下がります。エネルギーを、活動のためでなく、まず冷えている体を温めるために使わなくてはいけなくなるからです。
ここまでお話しすれば、自律神経とエネルギー代謝のシステムの密接な関係、 さらにそれらが疲れとどう関わっているのかが見えてきたのではないでしょうか。 つまり、自律神経のバランスが取れていると、血流が良くなり、体温も上がり疲れにくくなります。そもそも自律神経は、代謝が最も効率よく行われている深部体温を37・2 度を恒常的に保てるように、体温をコントロールしようとしています。ですから、自律神経のシーソーがきちんと機能している場合は、血流も体温も良い状態で保たれます。
結局、自律神経のシーソーをきちんと機能させているような、メリハリの利いた生活が、血流と体温を保ち、代謝を促進して、疲れない、疲れても回復しやすい体をつくるのです。