“免疫力を高めるコツ” 教えます! ③
今ある「疲れ」を撃退する方法I
「冷え性」を今すぐ撃退する法
女 性 は「 寒 さ = ス ト レ ス 」を 忘 れ て は い け な い
この連載は免疫学の権威の故安保徹先生の『ど〜もど〜も』に連載した内容を紹介します。
「職場の室温は背広を着た男性に合わせて低く設定してあるので、手足が冷たくなってつらい」「スーパーに行くと、冷 蔵ケースの冷気で体が冷えてしまう」「空調が利いた建物から 外に出ると、急激な温度差で立ちくらみや頭痛がする」このような寒さは、女性には男性が感じるよりも強いスト レスとなります。
女性の体の末端や表面が冷えがちなのは、体温が下がるのを防ぐために、体の 末端や表面の血管を収縮させ、毛穴を閉じて、放熱をできるだけ避けるためです。 これによって、内臓などがある体の温度、「深部体温」の低下を防ぐのです。
職場や買い物先など強い冷房の中で交感神経が緊張した後、外に出たりすると、 急激に体温が上がり、副交感神経優位となります。その結果、血管が拡張して血 流が増えるわけですが、強く冷やされた後に、急激に血流が回復することで、だ るさ、腹痛、頭痛などの症状が現れます。
これらが、冷えに関連する苦痛や疲れの正体で、体温低下から身を守る反応で す。いつも強い冷気にさらされていると、この反応が過敏になり、ちょっとでも 寒さを感じると、交換神経が優位になり、強い冷えを感じるようになります。
冷えからくる不快な諸症状を緩和するために薬を使うと、交感神経緊張に傾き、 冷えの症状をさらに悪化させてしまいます。本当の対策は、体を冷やさず、温めることです。
特に、体に悪い影響を及ぼしているのが、冷房と冷蔵庫でしょう。食べ物や飲み物を冷たいまま消化器に流し込んでは、体温が一気に下がってしまいます。体力の消耗は激しくなり、活動のエネルギーも免疫力も下がって疲れやすくなり、病気の世界に入りやすくなるのです。