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段ボールで国内初の植林付き『エコ棺』を開発しています!

ウィルライフ株式会社 代表取締役 増田進弘さん

震災時の避難所やオリンピック選手村のベッドに、段ボールが活用され注目されています。段ボールといっても最近は強度があり、軽くて組み立てやすく廃棄処理など環境に優しい段ボールがあります。高齢化による日本の年間死亡者数は約159万人という時代に、段ボールの優れた特徴を活かして、火葬場が効率よく稼働し環境問題に配慮した棺(ひつぎ)を提供している増田進弘社長に、循環型葬送についてお聞きしました。

ウィルライフが棺に使用している「トライウォール製強化段ボール」は、1953年にアメリカで発明された3層構造の段ボールです。自動車を一枚の段ボールに乗せても潰れない強度があり、木箱やベニアよりも重量は平均20%軽くなり体積は15%削減。簡単に組み立てられ不要になれば折りたたむなど、梱包や輸送の流通コストを1/3〜1/4と大幅に削減することができています。

1973年には日本に合弁会社ができ、阪神淡路大震災では床にこの段ボール1枚敷くだけで暖がとれ、段ボール箱で寝ると暑くて汗をかくほど保温性があり活用されました。

1990年には高齢化と省エネの観点から「棺」の商品化が進められました。

「お年寄りにとって都会は住みやすく都内で亡くなられる方も多い。ですが火葬場は全然増えていません。そこで火葬場の処理能力を高めるために、弊社も国から助成金をもらい段ボール棺の開発をしました。
今までの木枠にベニヤの棺と段ボール棺とを比較テストすると、火葬場で使う燃料が約25%減り、1日の処理能力も倍になり新しい火葬場を作らなくても間に合う。ダイオキシンもほとんど発生しません。

アメリカにおいては基本的に土葬ですが、エイズや色々な病原菌を抑えるには火葬が一番いい方法だと、日本の50倍もの段ボール棺が売れています」

循環型の棺をコンセプトにしているウィルライフは、地球環境の回復のために植林し持続的な生産を可能にしています。

「トライウォールの段ボールは、木材の使用量を約1/2に低減し、木材部には国内の間伐材を使用しています。

また、国内で初めて植林付きエコ棺として、棺1につき1本の木を植える活動を行っています。これはモンゴルの火災跡地に2007年から植林し、今日までに約62万本の木を植え増え続けています。
なぜ植林が必要なのか。それは1回の葬儀全体で約200kgの温暖化ガス(CO2)が排出され、その量は1人の人間が1年間に呼吸する量に匹敵します。それらの排出量を吸収し多くの酸素を地球上に供給するため、積極的に植林を続けることが務めだと考えています」

そして増田社長は、「あまり関心が寄せられない『棺』。これからものデザイン性や葬送の在り方を追求していきます」と。

この循環型棺は2010年ロハスデザイン大賞のモノ部門で大賞を獲得。デザイン性のみならず、その環境性能や思想が高く評価されています。

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