48歳からの華麗な生き方・老後をサポートする

多世代が集う『いつでも誰でも型居場所』づくり

2022.04.09

運営のコツを指南します!

2000年に介護保険制度がスタートしましたが、その後、さらに少子高齢化人口減少が進み政府の財政支出は拡大し、また、人材不足も進み、今後の制度維持が難しくなってきています。そのような中、国は住民主体の助け合う地域づくりを推進するために、2015年から生活支援コーディネーターを全国に配置しています。また、地域のつながりが希薄となり、高齢者だけでなく、子どもや生活困窮者、障がい者、多様な人たちの孤立や孤独をはじめとする多様な課題も浮き彫りとなり、「地域共生社会」の推進も始まっています。

あなたの街にも『いつでも誰でも型居場所』があればよいと思いませんか。でもどのようにつくっていけば良いのかわかりません。そのつくり方と運営のコツを指南していただきました。

公益財団法人さわやか福祉財団

さわやか福祉財団(清水肇子理事長)は、1991年に堀田力さんが立ち上げ「新しいふれあい社会づくり」を理念に活動してきました。これからの人生100年時代に「一人ひとりの尊厳の保持」と、その実現を大きく支えるのが『共助』の仕組み。住民主体の地域づくりが全国に広がるよう挑戦していくそうです。

今回、鶴山芳子理事(右側)と大坪直子さんに『いつでも誰でも型居場所づくり』の運営のコツを指南していただきました。

『いつでも誰でも型居場所づくり』とは・・・

さわやか福祉財団では、全国各地で『いつでも誰でも型居場所づくり』の必要性が高まっているといいます。それは高齢者だけでなく、子どもたちや子育て中の人、若者世代、生活に困窮する人たち、障がいを持つ人たち、認知症の人たちなどあらゆる世代における課題を解決する方法は、人と人がつながることがきっかけになる。それが『いつでも誰でも型居場所づくり』。しかし、現代社会では『いつでも誰でも型居場所づくり』は仕掛けないと生まれないといいます。

『いつでも誰でも型居場所づくり』では、「行きたい居場所」が「楽しい場所」となり、「楽しい関係」が生まれ「助け合う関係」の『共助』に発展する。「助け合う関係」が広がるためには、誰もが居心地のよい場所にする必要がある。そのための運営のコツを財団では、『居場所ガイドブック』にまとめていますので取り寄せてご覧ください。

今回はその一部をご紹介しています。

『共助』をつくる有効な手法が『いつでも誰でも型居場所づくり』です

そのコンセプトは・・・

  • いつでも立ち寄れて、いつでも帰ることができる
  • 誰もが利用できる
  • 時間を自由に過ごすことができる
  • 経験や能力を生かすことができる
  • 自分の存在を認識できる

各地の居場所の約束事(ルール)

・世話する人とされる人という分け方をしない 

例えば、調理当番がいて、エプロンを着用するのは台所だけとする
・自分でできることは、自分でするようにする
・湯飲み茶碗を紙コップにすることで、誰かに洗ってもらうことへの気遣いがなくなる。また、コップにペンで名前を書くことで、初めて会った人同士もお互いの名前がわかり、会話が始まりやすい。さらに衛生上も良い
・食事が終わっても、みんなが終わるまでは席を立たないようにする。誰かが立つと、誰かが何か手伝わなければいけないと立ち上がるなど、余計な気遣いが生まれ、ゆったりとした雰囲気を壊してしまうため
・テレビは置かない
・「あの人は嫌い」は2度まで、3度目はレッドカード
各地の居場所で工夫していること

・みんなが主役、みんなでつくる
・頑張りすぎない、無理をしないで、のんびり続ける
・最初から完璧を求めず、やっていきながらみんなで中身をつくり上げていく
・できる時に、できる人がやる。できない時はできる形に変えてやる
・意見交換の場を持つ
・誰でも受け入れ、その人らしさを認め合うことが大切。その人の力を活かし合う
・運営していく際のお金の管理にあたっては透明性が重要
・基本は、日々のお金の出入り記録。領収書などの管理は必須
・居場所の運営費用などについては情報公開する。参加者や地域の人たちなどからの参加費や寄付金、人々の志によって支えられている活動であることを念頭に置き、地域の信頼を育み、継続した活動につなげる

 

 

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