「認知症かな?」悩むあなたに。気軽に相談をお受けします!
日本医科大学 街ぐるみ認知症相談センター 山﨑明子センター長
「顔を合わせても名前が出てこない」「昨日の晩御飯がすぐに思い出せない」と年齢を重ねるごとに忘れることが多くありませんか。「ひょっとして認知症かな」と疑ってみる。そのような疑問、不安に対して気軽に相談に乗る「街ぐるみ認知症相談センター」が2007年に国の研究事業としてできました。5年間の事業終了後は、日本医科大学が運営を引き継ぎ、これまでに6500人以上の方が利用。同センターの役割、利用者についてお聞きしました。
厚労省は今年5月に今後の認知症と軽度認知障害(MCI)の患者数を新たに推計し、2040年には認知症が約584万人、軽度認知障害(MCI)が約613万人にのぼると公表。これは65歳以上のおよそ15%、6.7人に1人が認知症だということになります。2022年の認知症約443万人から大幅に増え、それより多くの高齢者がMCIになる見通しだと発表しています。
認知症の増加と対応については、国はかねてより認知症を早期に見出す上で、かかりつけ医が大きな役割を担う必要があるとして、2003年ごろから認知症対応力向上研修会を重ねてきています。その前段階で早期発見を担う「街ぐるみ認知症相談センター」の設立は大きな意味がありました。
設立当初から臨床心理士と専門教育を受けたスタッフが相談に乗り、認知症の早期発見、早期治療を目指しています。
街ぐるみ認知症相談センターの流れは・・・
- 問診と、タッチパネル式の物忘れチェックテストを行う
- 認知症が疑われる場合には、臨床心理士が心理検査を行う
- ①と②の結果、認知症が疑われる場合は臨床心理士が『情報提供書』を書き、相談者からかかりつけ医に渡してもらう
※ここから先は、かかりつけ医が認知症への更なる検査と治療が必要だと判断すれば、専門病院や大学病院への紹介状を書いて受診を促します。
窓口で相談を受けているスタッフは、「一人暮らしの方は自分しかいないので認知症に対する意識は高いです。皆さんに半年~1年に一回程度のチェックをおすすめしています。今は相談者の7割ほどの方に臨床心理士が『情報提供書』を書いて、適切な医療へとつなげている状況です」と話してくれました。医療だけでなく介護保険へも繋げられるよう地域包括支援センターとの連携もしているそうです。
最近は各自治体でも認知症相談窓口を設けていますが、同相談センターのように街中で気軽に相談できるところができれば、「おかしいな」と思った時に相談できるのがいいですね。この相談センターの利用者は近隣の方が多いですが、中には出張で来た方や他府県からも来られるそうです。
「全国どこから来られても相談は無料で受けられます」とのこと。ちなみに相談は予約制です。
「街ぐるみ認知症相談センター」044-733-2007